このメイド、元悪役令嬢なんです。

@hiifagu7723

この令嬢、追放されるようです。

「ミカエラ・ベネディクト公爵令嬢を殺人未遂罪で国外追放とする」

今日、シナリオ通りに進む為、邪魔者は消される。

「おお、ついに悪の令嬢を裁いたぞ」

「これでメアリー様も安心して暮らせるだろう」

ザワザワと聞こえるのは、私の事とヒロインのメアリーの事。

罪の内容は、メアリーをナイフで刺そうとした事による殺人未遂。

…でも、私はそんな事していない。

これは、メアリーが作った真っ赤な嘘。

でも、こうなる事は分かっていた。

だって、私は悪役令嬢、そしてメアリーは記憶を持ったまま転生してきたヒロイン。

それに、メアリーはとても優しく、人々から信用されている。

だけど、運悪く転生してメアリーになった人は、私のクラスでも知らない人はいないであろう、3年の先輩。

先輩は、演劇部部長でとても素晴らしい演技をする。

しかし、先輩はそれを利用して数々の男子を奪っていった…人の彼氏さえも。

そんな先輩が攻略対象の王子を自分のものにしようとするのは分かっていた。

それに、そうなる事が普通なのだから。

「これで安心していいよ。メアリー」

「ありがとう…私、今まで怖かった…」

王子がメアリーを安心させる為に抱きしめる。

メアリーは、泣いている様に見えるが、微妙に口角が上がっている。

「おい、此方だ」

手錠を引っ張られ、私は外へ連れて行かれる。

連れて行かれたのは、国と国の境目にある森の前。

後から王子とメアリーが来た。

「最後に恨み言くらい聞いてやろう」

ニヤリと笑いながら、王子は私に言う。

私は、軽くお辞儀をして言う。

「…お二人とも、今後ともお幸せに」

…そう

あの学校1の悪女と言われている先輩とね!

私は、森へと足を踏み入れた。

…これ、無事に隣国に行ける…よね…?


森の中は、とても蒸し暑かった。

ドレスとかは回収されて、汚れた服に変えられたけど、それが正解だったかも。

この服、風通しいいし。

それにしても、池とか無いの? この森。

頭クラクラしてきたんだけど…。

…でも、あと少しで隣国だし、頑張らないと。

頑張ら…ない……と…。

「大丈夫ですか?!」

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