第39話 見世物小屋での出来事

ある夜、夏祭りの喧騒から離れ

暗がりでラムネを飲みました


小さな人が手招きしているから

付いて行きました


赤いカーテンの向こうには

裸の人がいました


とてもせた女の人が

鈴をくれました


私はその鈴を鳴らすよう言われ

ちりん、と鳴らしました


もっと大きく鳴らしてくださいと

男の人は私に頼みました


鈴の紐を持って、手のひらの上で転がしました

激しく、激しく


汗が出ました

疲れました

恥ずかしくなりました


私は千円を払いました

そして、帰りました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る