第14話

アングリーベアーを倒したアキ達は次のBOSSが待つダイ草原へ向け雑談を混じえながら歩みを進めていた。


「そういやアングリーベアーってどんぐらいの強さだったんだ?俺達がふざけて倒せるぐらいだからそんなに強くないと思うが」

「そうだね〜、せいぜいレベル10が二人以上いるパーティーなら余裕だよ」

「あんだよ……結構強いじゃねぇか」


サツキのサラッと言ったその発言にアキは額に手を当てため息を一つ吐く。


「んで?次のBOSSはどうなんだ?」

「ん?さっきの熊を何回も回るんじゃないのか?」

「シャッケ、BOSSMOBはね一日一回しか戦えないんだよ」

「マジで?」

「「マジ」」


そう、このTPOではBOSSを何度も倒してレベル上げをすることが禁じられているのだ。

何度もBOSSが回れれば言っちゃあ悪いが仕事が無く平日をまるまる使えるやつと平日を使えないやつの差が月とスッポンになってしまうため、差が開きすぎないよう考慮されているらしい。


「そうだ、次のBOSSだったよね、次のBOSSはねぇ」

「次のBOSSは?」

「なんとくまちゃんより弱いです!!」

「ワーーーオ!!」

「いやそっち先やれや」


無駄に高いテンションではしゃぐシャケとサツキにアキは冷静にツッコミを入れる。




~~~




「なぁ、サツキお前弱いって言ったよな?」

「うん、私的には・・・・弱いよ」


かなり険しい顔で言うアキにTシャツに短パンといった軽装備のサツキが笑いながら言う。


「あぁ、そうか、で?これの推奨レベルは?」

「ん〜?一パーティー6人として全員レベル10以上かな」


二度とこいつの弱いは信用しねぇ。


俺は目の前にいる自分の3倍の高さと横にその2倍の大きさはあるスライムを見てそう心に誓った。


「ほらアキ!!早くタウントして!!」

「い、いやぁぁあ!!」


━━ガッ


「ねぇアキ、何なら私があのエルダースライムの中に投げ捨ててもいいんだよ?」

「たっ『タウント』ぉぉ!!」


サツキの肩を掴み目の笑っていない顔から発せられた台詞に屈したアキは若干泣きながらタウントを発動し、大盾からちょこっとだけ顔を出し小動物の様に様子を伺っている。


「ねぇ、君のご主人様可愛すぎない?」

「カラカラッ」


アキの様子を見たサツキがほね太郎に向けそう言うと、ほね太郎もそれに肯定し骨を鳴らしながら頷く。


「弱いならは、早くアイツ倒してくれないかな?」


アキは昨日スライムに装備を溶かされた事が蘇り声を震わせ、逃げ腰気味で大盾を構える。


「わかったよ、そんなに昨日のことが嫌だったの?」

「だってぇ、男の視線とか羞恥心とかで死ぬかと思ったんだもん…………何となく女性の気持ちわかったかもしれない…………」

「しょうがないなぁ、ほね太郎、やっつけようか」

「カラッ」


完全に繊維を喪失しているアキに苦笑いをしつつサツキはアイテムボックスからレイピアを三本取り出し、二本を両手に、もう一本をほね太郎へと渡す。


「私たちの技量ならノーマルスライムなら斬れるけどこいつはサイズがおかしいから刺突の方がやりやすいよ」

「カラッ」


サツキのアドバイスにほね太郎は短く返事をすると盾を構えながらエルダースライムへと駆け出す。

そしてその後ろをサツキが二本のレイピアを構えながらピタリとくっつき、ほね太郎の作りだした道を駆ける。


「ほね太郎盾を上に振り上げて!!」

「カラッ!!」

「とおっ!!」


サツキの合図にほね太郎は手に装備していた盾を思い切り振り上げ、サツキがそれを足場にし空を翔る。


「スライムまみれ上等、ダブルレイピアドリルーー!!」


サツキは楽しそうに叫ぶと身体を捻り、きりもみ回転を始め二本のレイピアを前に突き出しエルダースライムの核目掛けて一直線に突進していった。


ドゥリュドゥリュドリュという音を立てながらサツキはスライムの奥深くへと入り込み、装備を溶かされながらもスライムの核を何度も何度も突き攻撃する。


「「うわぁ……」」


その姿にアキもシャケも少々目のやり場に困っているという事もありかなり引き攣った顔をする。


「お前も大変だったんだな」

「そうだよ……」


「ぶはっ!!スライム倒したよー!!」


アキとシャケが引き笑いをしながら話しているとほとんど布のない状態でスライムから出てきたサツキが楽しそうにぴょんぴょんと跳ねていた。


「サツキ、良いから服着ろ……シャケが困ってる、そして俺も」


サツキのあられもない姿にシャケは耐え切れず背を向け、昨日それ以上に酷い目にあったアキがシャケの台詞を代弁する。


「ん〜?別にいいじゃん、ほらほらシッャケ、女子のあられもない姿じゃよぉ?本当は見たいんじゃろ〜?」

「やめろ!!お前はそういう対象としては見ないようにしてんだから!!」

「だ、そうだ、やめてやれ」

「ちぇ、つまんなーい」


いやそっちはつまらないだろうけどこっちは息とか色々詰まるからやめてくれ。




現在のステータス


アキ Lv8

種族 ヒューマン

メインジョブ


ガーディアンLv9

『タウント』


Str: 2(-5)

 Vit: 12

 Dex: 1

 Int: 1

 Mnd: 3

 Agi: 1

 Luk: 3(-5)

 SP: 6


サブジョブ


ネクロマンサーLv11

『サモンスケルトン』『サモンマルチスケルトン』

『従魔召喚』

・ほね太郎Lv9

・くま五郎Lv6


パッシブスキル


Nodata


装備


右腕:Nodata

左腕:初級守護者の大盾


頭:Nodata

胴:ウッサーT

腕:Nodata

腰:新参者の革ズボン

靴:新参者の革靴


アクセ


指輪:死霊王の灯火


首飾:Nodata


ほね太郎【スケルトンナイト】 Lv9 (隷従者 アキ)


Str: 15

 Vit: 6

 Dex: 16

 Int: 5

 Mnd: 6

 Agi: 8

 Luk: 0


モンスタースキル


死霊剣術Lv10


装備


右腕:亡国の剣【破損】

左腕:亡国の盾【破損】


頭:Nodata

胴:Nodata

腕:Nodata

腰:Nodata

靴:Nodata


アクセ


指輪:Nodata


首飾:Nodata


くま五郎【スケルトンモンク】 Lv 7 (隷従者 アキ)


Str: 19

 Vit: 1

 Dex: 9

 Int: 2

 Mnd: 1

 Agi: 21

 Luk: 0


モンスタースキル


闘争本能Lv6


装備


右腕:アングリーフィスト

左腕:ベアーフィスト


頭:ベアヘッド

胴:ベアコート

腕:ベアアーム

腰:Nodata

靴:ベアレッグ


アクセ


指輪:Nodata


首飾:Nodata


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