畳に三毛猫が寝ころんでいる

小さな糸がぴゅうぴゅう飛んでく

白い糸

赤い糸

青い糸

畳は重りにのされてる

秋の風が吹く時は

猫に伝えなくてはならない

「秋の風がやってきますよ」

「にゃあお」

「布団を敷くので退けてください」

「にぁあお」

寂しい電燈は宙ぶらりん

偉大な雪の香りを抱いていた

「にぁあお」「にぁあお」

猫は素数ばかり数えるけれど

ホントにそれで生きていけるのだろうか

渺漠たる畳の上に

それで寝ころんでいるのだろう

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