第6話

「もしかして、前の主人って・・・




 続きを聞こうとしたが、聞けなかった。


 何故なら、遥華が俺の口を塞いでいたからだ。しかも、手をどかそうとしても以外に力が強い。




「もごっ、もごご、もごっっっ!〔遥華、その手を、離してくれ!)」




 その声がやっと気づいたのか、抑えていた手は俺の口から離れていった。




「ご、ごめんなさい! 雄二さん。そ、その、えっと」


「こっちこそごめん。聞かれたくなかったんだよね」




 遥華は小さく頷いた。




「そうだよな。でも、いつかは話してくれよ。俺、もっと遥華の事知りたいし」


「はい。時が来たら必ず教えます」




 そうして、長い1日が終わった。

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