snowmelody

夢浮-むう-

第1話-始まりの音ー

「ママーどこいくの?」

「旅行よっ。良い子にしててね。」

「うん!わかったー」



これがママと話した最後の会話。

ママは家出して、パパと離婚した。




「パパから大事なお話があります。ちゃんと聞いてください。」

「はぁい(^-^)/」

「パパとママはこれから違うおうちに住みます。」

「ちがうおうち?」

「うん。そうだよ」

雪乃ゆきのはパパと同じおうちに住むけど、ママは別のおうちに住むんだよ。」



幼かったこの時の私はこの言葉の意味が分からないままパパと一緒に新しいおうちに引っ越した。



離婚した為、引っ越した私とパパ。

一軒家を売り払い引っ越したのは保育園や小学校、中学校が近くにあるマンション。


今、振り返ってみたら、急な引っ越しだったにも関わらず、私のことを考えてくれていたんだなと思う。



そんなこんなで始まった新しい生活。


当時3才だった私は当然この生活に慣れなくて、ママがいない環境が凄く不安で、よく泣いていた。


パパも慣れない家事を頑張っていたけど、きっと2人だけでの生活はできなかっただろう。


どうやってこの生活を乗り越えられたのか?


私達の家、701号室のお隣さん、702号室に住む月島つきしま ゆめさんと夢さんの息子の頼人よりとが支えてくれたのだ。



シングルファザーになりたてのパパは料理が苦手だった。仕事もあったし、頼れる親戚もいなかった。シングルマザー3年目の夢さんはその大変さはよくわかっているからとパパのことを助けてくれた。



頼人は私と同い年で、すぐに仲良くなった。

毎日、一緒に遊び、兄妹のように過ごしていた。



引っ越して、いろんなことがあったけど、2人のお陰でこの生活を乗り越えられた私とパパ。




引っ越してから4年後...


私と頼人が小学生になる年、パパは夢さんと再婚した。


パパは夢さんに助けてもらっているうちに夢さんに惹かれていったらしい

それは夢さんにも言えることで...


夢さんが私のママに、頼人が私の弟になった。





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