9/13 俺達は勇者だったのかもしれない

これまでのあらすじ。

 幼馴染みである抜刀斎(仇名)が第二子を生んだので、出産祝いを手に家に向かえば、これまた違う幼馴染みの吉野くんがいて、二人で薬局にお使いに行く事にーー!?

 私達、どうなっちゃうのーー!?




「最近出来た松清に行ってきて欲しい。割引券あるから」

「え? 松清? そんなお洒落ショップこんな田舎に出来たん?」

「うん。三年ぐらい前」


 最近じゃねぇ〜。

 三年前出来た店新しい店って言いがちな田舎〜。


「場所二人とも知らない?」

「知らね」

「初耳ですわ」

「あー。なら道教えるよ。まず国道でるでしょ?」

「おう」

「で、最果てのラブホで左に曲がる」


 最果てのラブホ……?

 ※ラブホ街の淵の淵にある暗黒のラブホ。我々が中学校の頃に流行った言葉である。


「それから黄金に光り輝くデカい犬の所を左に曲がる」


 黄金に光り輝くデカい犬!?

 ※謎の電球が巻かれてるオブジェです。


「で、四つまたの道のユニコーンの所に出るから、ユニコーンの角の方向に進む」


 ユニコーン!?

 角の方向!?

 ※よく分からん町のオブジェです。


「で、教会の向かいに……」

「そこに伝説の剣があるんですか!?」

「魔王を倒せる剣があるんですか!?」

「松清だよ。あるのは。新生児用のオムツ買ってきて。パの奴ね」



 すげぇファンシーな道筋だよな!

 絶対魔王に勝てる剣あると思うじゃん!

 いや、むしろないとおかしいやろ!


 と、やんややんや吉野くんと行ったんですけどね……。



「松清じゃなくて、杉薬局やんけ……」



 そこにあったのは松清じゃなくて違う薬局でした。

 そりゃ、伝説の剣もありませんわ……。


 

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