第29話 最強なのは「想定外」

突然響いた女性の声に、思わずそちらを見つめる。


おっと!?

他の女の子達も見に来ていたのか!?


全然気づかなかった。


見れば、いつの間にか、ウィーリンさんをはじめ、リリィレナさん、ミカティアさん、ラフィーラ姫…

それに、あの野郎ウォーン・コリカンも勢ぞろいでこの戦いを観戦していたようだ。


「『ウィーリン!ち、違うわよ!!

アタシの負けじゃないわ!

だって、あっちの狼はアタシの雷撃魔法で麻痺状態だもの!!

このままあっちの魔力が尽きるまで魔力障壁を張っていられたら、アタシの勝ちよ!!』」


んん!?

そ、そうだったの…?


そう言われて見れば、確かにエルの奴、あの場所から一歩も動かず…

いつもゆらゆら揺らしている尻尾も、ぴん、と伸ばしたまま微動だにしていない。

あ、だから、ずっと同じところから炎の魔法で攻撃してたのか。


「キーィ。」


「『…うっ…』」


しかし、それは無理だよ、と言わんばかりにオズヌさんが一声上げる。


そう、向こうが三人だったように、こちらも、エルとオズヌさんの二人が居るのだ。


「ははは、フルルは相変わらず負けず嫌いだな…さ~てと、皆、喉が渇いていない?」


そう言うコリカンの奴が氷の入ったグラスを傾ける。

見れば、観戦する彼女達は、爽やかな色合いの飲み物を手元に持っているし、その後ろにはプリンとフルーツポンチのようなものが乗っているワゴンを押した料理人さんの影もある。


「特製ジュースを用意したよ。」


「『わーい!!ティキ、ジュース大好きーっ!プリンもあるー!やった~!!』」


「『…水分補給、重要。』」


今まで、体が麻痺していたはずのティキちゃんが、その声を聞いてぱっと飛び起きる。

同じく、リルさんもさっと体を起こし何事も無かったかのようにコリカンの奴の元へと走ると、その飲み物をぐびぐび飲み始める。


「『ふふふ、皆、お疲れ様。回復魔法いるかしら?』」


「『…そうね、お願いするわ。…大きな魔法を使うのも大変なのよ。』」


ミカティアさんはニコニコしながら、皆に飲み物を渡しつつ、回復魔法を使う。


「『ナーノちゃんもいらしゃ~い!』」


「あ、はーい!…ちょっと待ってくださーい!…エル、お疲れ様。」


こっそり僕はエルに回復魔法をかける。

これで、麻痺も取れるでしょ?


「…坊主、どうだった?戦ってみて。」


オズヌさんも、トコトコこちらに近づいて来つつ小さな声で会話をする。


「…フン…前と同じだ。アイツ等、不思議な力で守られてやがる。」


「…それは…どういう事?」


僕が見た感じでは、エルの奴は手加減していたように見えた。


一応、これは「試合」だし、相手が女の子だから、と思っていたが…

ご本人曰く、そんな事はしていないらしい。


リルさんの上に飛び降りた時も、ティキさんの頭を叩いた時も、

本来なら人の頭蓋骨が陥没してもおかしくない程度に力を込めていたようだ。


「それも、例の祝福ギフトのせいなのかな?」


「もしかして…本当は戦いたくないんデスかね?」


「…フン…いや、戦いたく無いと言うより、日本のアニメや漫画と戦ってる気分になって来る…」


「ニホンノあにめヤまんが?」


「??」


「あー…確かにね~。」


オズヌさん達はピンと来ないらしいけど、エルのその言葉は僕の腑に凄くよく落ちた。


ほら、日本のバトル漫画とかって、人体が異様なくらい強化されて表現されてる事が、良くある。


敵に吹っ飛ばされて、コンクリート壁をぶち破って飛んで行く主人公。

しかし、わずかな吐血だけで戦線復帰、とかザラだし。


あれだって、物理的に正しい方向性で考えると、コンクリート壁が壊れかねないような速度で人がぶつかった場合、完全に破壊されるのは、コンクリート壁ではなく人体の方だ。


内臓破裂や全身骨折どころの騒ぎではないだろう。

それこそ、人の体など、コンクリート壁に比べたら、はじけ飛ぶ血肉袋程度の柔らかさ…と言って良い。


先ほどの戦いも、冷静に考えたら、自分の体積の3倍は有ろうかと言う獣が脳天に降ってこられたら…

「どべちっ」とか「どぷちっ」と言う、おまぬけな擬音を上げて倒れるだけで、ろくなダメージを受けない…などと言うのは明らかに超常の力が働いている、としか思えない。


「…フン、つまり、ある一定以上のダメージは自動的に無効化されている、と言う感じだ。」


「なるほど。厄介だな。」


僕達がこそこそと会話をしている間に、ミカティアさんは全員に回復魔法をかけ終わったらしい。


「『ナーノちゃん達は何を飲みたいかしら?』」


「あ、はーい!今行きます~!…とりあえず、一旦休憩してから…地下牢を探しましょう。」


「キーィ!」「わふっ!」「ピィッ!」


全員の了承の意を得て、僕達もぞろぞろと、休憩スペースへと移動する。


…と、異変が起きたのは、その瞬間だった。




「『うがああああああっ!!!』」




「!?」


「な、何だ!?」


唐突に、今までプリンをモグモグしていたリルさんが叫び声をあげる。


そして、見る見るうちに、彼女の女性らしいシルエットが崩れ…

顎は二つに割れ、ヒゲは伸び、僧帽筋が膨らむのと反比例するかのように豊かな胸は融けて消えゆく。


「『ああああああああッ!!!』」


「えっ!?な、何?」


しかし、その疑問に答えは返ってこない。


そのまま、彼女(?)は天空に向かって屹立し、絶叫する。


ただでさえボディラインを強調するような衣装なのだ。


そのため、全身が…骨格がおとこの物へと変わり、胸板が厚くなり、その股間にはご立派様がそそり立ち、喉仏が飛び出る様子が見て取れる。


と同時にその叫び声がどんどん甲高い女性の音域から、野太いおっさんの音域へと下がって行く。


「りっ、リル!?」


しかも、その変化はリルさんだけに留まらない。


「『ぐおおおおおおあああああああああっ!!!』」


次いで巻き起こる叫びはフルルさん。


華奢だった身体がボディビルのようなソレへと変わり、ハイレグビキニが視覚の凶器へと進化を遂げる。

…股間のご立派様をお守りする鎮守の森が男性ホルモンを味方につけ、全身を浸食し、素肌に縮れた金色の野を形成している。


「『があああああぁぁぁぁあああああっ!!!』」


同時に、清楚系セーラーのミカティアさんの筋肉が、セーラー服を内側から引き裂いて産声を上げる。

YOUはSHOCK!


長く艶やかだった髪の代わりに、長く艶やかな髭が伸びる。

頭頂部からは頭髪が消えうせ、まさにおとこ、と呼ぶに相応しい見た目へと変貌をとげる。


「『ぐあああぁぁぁぁああああ”あ”あ”…!』」


ティキちゃんも特盛になっていた属性に更に、世紀末覇者の様相を、叫び声と同時に追加してゆく。

盛って盛って盛りまくる、足し算の美学を体現したかのようなギャランドゥ特盛の雄っぱいがゴスロリメイド服の布と、見る者の正気を引きちぎろうと脈動する。


「『おおおおおおおおおおおおおっ!!』」


その隣のリリィレナさんの鎧はすでに内側から吹っ飛び、まるで何とか神拳が使えそうな超兄貴と化していた。

子供の腰くらいは有りそうな二の腕や首筋のマッスルがピクピクと喜びの舞いを繰り出している。


「『ぶもおおおおおぉぉぉぉぉぉおおっ!!』」


そして、華麗なR指定セクシーのウィーリンさんは、その肌色成分をさらに増加させる。

まろび出んばかりだったバストがR指定成分を豪快に殴り棄て、横綱を狙える超どすこいボディへと変化を遂げる。


「う、うわああああ!み、みんなっ!?一体、これは…何が!?」


コリカンの奴が叫び声をあげるけど、どうしてこんな事になっているのか、それはこっちが知りたい!!


一体、何が起きてるの!?


オズヌさんもレイニーさんもエルも心当たりが無いらしく、僕と同じように、口をぽかん、と開けて美少女達が超兄貴やどすこい兄貴へと変貌してゆく様を見つめている。


ナニ?このカオス…


その疑問に対する答えを持っていたのは、このカオスを切り裂いた声だった。


「リリィッ!!!」


あれ?この声…どっかで??


リリィレナさんの名前を叫んだコックさんが、その帽子を毟り取るように素顔を晒す。


あれは…


「!?…ルークスッ!!」


そうだ!あの酒場で飲んだくれていたルークスさんだ!!


「…!?あ…わたし、動ける…自由に喋れるわ!」


超兄貴の野太い声…とは言え、名前を呼ばれたリリィレナさんが驚きの声をと地響き上げながら、ルークスさんの元へ駆け寄る。


「リリィ!…よかった、正気に戻ったんだね!」


「ああ、ルークス!?ごめんなさい、わたし、わたしッ…!」


「泣かないでリリィ、大丈夫、全部リシスさんから聞いているよ!ボクも君を助けようと思ったんだ!!」


「ッ…ルークスぅ…!」


「このぷりんと言うお菓子は女性陣だけが食べるって話だったから、薬を仕込んでおいたんだよ!」


何やら、感動の言葉を駆け合い、がっしりと抱き合う恋人たち……だよなァ?


絵的には完全に超兄貴からホールドされ、締め上げられてる一般人のようにしか見えないんだけど…

肋骨ミシミシ言っていませんか…?


「あーーーーーーっ!!」


!?


「ルークスさん、あのお薬…ここで使っちゃったんデスか!?」


突然、レイニーさんが何かを思い出したのか、そんな叫び声をあげる。


「おくすり?」


「ほら、前ナガノ君が言ってたじゃないデスか、身体が男になったら【ハーレム】の状態異常が剥げたって」


「た、確かに言いましたけど…えっ?」


え?美少女を超兄貴に変貌させる薬なんてものが有るの!?


「ああ、あの『エリシエリ特製・かくし芸用性転換薬』か。」


「「ファッ!?」」


僕とエルの声がハモる。


「ナガノには前話しただろ?エリシエリのヤツ…お茶目な薬を作るのが上手いって…。」


えっ!?いや、確かに…エリシエリさんの事を紹介してもらった時に聞いた気はするけどぉ…

それにしちゃ、お茶目すぎやしませんかね!?


つーか、このレベルをお茶目で片付けて良いのか!?


「ウチの店の隠れた売れ筋デス。」


しかも売れ筋ッ!!??

どちらの層がご購入なさるんですかね!?


「でも、あのお薬、持って来たモノは効き目はとても短いんデスよ。

だから、タイミングを見計らって使って貰おうと思ってたんデスけど…」


そっかぁ…

ルークスさんがリリィレナさんを早く助けたくて先走っちゃったのがこの惨状、と言う訳か。


「コリカン…貴様ァ…よくもアタシ達を好き勝手してくれたもんだね!!」


ようやく身体の変化が止まったのか、野太い声でリルさんが吠える。


いつもの無表情はどこへやら。

鬼の様な形相でコリカンに殴りかかる。


「ひっ、ひぇ…っ!?」


「おのれ…よくも…我がエルフの誇りを踏みにじってくれたなァッ!!」


フルルさんも、怒りをたたえた瞳でコリカンの野郎を睨みつける。


「だ、誰かっ…た、助けてくれっ!!」


「あはははははははははははははは!!!」


「きゃははははははははははははは!!!」


「あ”あ”あ”あ”あ”、うあぁぁぁぁぁぁっ!!」


「あ、あば…あばば…何ですの?これ、何なんですの…?」


しかし、その声にこたえたのは、狂ったようなミカティアさんとウィーリンさんの野太くけたたましい笑い声と、ティキちゃんの男泣きに号泣する声…

そして、恐怖と混乱でぐちゃぐちゃになってへたり込んでいるラフィーラ姫のうめき声だった。


ラフィーラ姫も一応…体が男になってるのかな?


唯一、身体が子供だから、見た目に変化があまり無いんだけど…

でも、あの操られている時特有の妙な口調は消えうせている。


周りに味方が居ない、と悟ったのか…

コリカンの奴は悲鳴を上げながら、本館の方へ全力疾走を開始する。


「待ちな…!」


「逃がすかァ!!」


それを追うリルさん(おとこ)とフルルさん(おとこ)。


男になると、【チンピラ】か【一般市民】のステイタス異常が添付されて、あの野郎に攻撃は出来ないはずなのだが、どうやら…おとこになったリルさんとフルルさんには、その影響が無いようだ。


命中こそしていないが、逃げるコリカンの背に向かって炎の攻撃魔法を放っている。


もしかすると、【俺の嫁】は剥がれ落ちる事を想定していないのかな?

偶然、祝福ギフトの隙を突いたような形になったのかもしれない。


まぁ…元の世界の人間は想定しないよね…

「自分の嫁が超兄貴に変貌する危険性」なんてさ…


「ッ!俺たちも追うぞ!」


フルルさんとリルさんを追ってエルの奴も走り出す。


「ナガノ、レイニー!すまんが、先回りするぞ!後から来い!」


「は、はいっ!!」


そうだ、女性陣が漢化おとこかして混乱している今こそがヤツを倒す好機だ!


ダンッ!!ダ、ダ、ダッ!!


そう言うなり、オズヌさんは自動車も真っ青の急加速で連絡通路の脇を通り抜け、あの野郎の進行方向を先回りすべく走り出す。


うわ、モフキーウィ、速ぇぇ…


僕、この世界のキーウィに襲われたら逃げきる自信無いよ…


「行きましょう、ナガノ君!」


「はい!…えーと、その前に…おりゃっ!!皆まとめて状態異常回復ッ!!!」


いまだに狂ったように笑ったり号泣したりしている女性陣に対して、念のため回復魔法をぶち込む。


…こ、これで一応、精神がちょっとは落ち着いてくれると良いな…


二重の光の中に取り込まれた女性陣から、あの狂ったような笑いと泣きの叫びが消えたのを確認すると、まだ光が収まらない内に僕たちはコリカンの野郎を追って建物の方へ駆けだした。


遠くの方で、何やら攻撃魔法っぽいものが着弾しているような音がする。


…つまり、皆はこの廊下の先かな?


見れば、所々焦げたような跡が残っていたり、扉がぶち破られていたり…

明らかに大きな犬っぽい足跡が有ったり…割と分かりやすい痕跡が残っている。


そんな痕跡を追って行くと、地下へ続く扉の手前でフルルさんとリルさんが倒れていた。


「あ!あれは…」


「…どうやら、時間切れだったみたいデスね…」


レイニーさんの言う通り。

リルさんもフルルさんも、いつもの可愛らしい美少女の姿に戻ってしまっている。


…意識が無いようだが、一応、呼吸や脈拍はしっかりしている。


どうやら、首筋と顎に思いっきり殴られたような痕があるから…

もしかしたら、オズヌさん辺りが、反撃で沈めたりしたんだろうか?


ほら、時間切れで女の子に戻りかけた二人が【俺の嫁】の状態異常を発動しそうになった、その隙に…

と考えれば、その可能性は高い。


「…どうしマスか?」


「目覚めたら追って来られても困りますよね。えーと…確か…」


僕は、廊下の窓に掛かっているカーテンを止めている紐を毟り取ると、彼女たちの親指を後ろ手で縛り上げる。


以前ネットで、人を拘束する際に、親指を縛っただけでも、かなり自由を奪える…みたいな話を見た記憶がある。


親指だけなら10歳児の僕の力でもなんとかなるし。


…足も親指だけで良かったっけか??


そして、意識が無いようなダメージはちょっと心配なので、今すぐ起きない程度に回復魔法をかけておく。

だ、大丈夫だよな…?


「…地下に逃げ込んだみたいデスね…」


どうやら、地下に向かう螺旋階段にオズヌさんの羽毛が落ちていたらしい。


「…行きましょう、レイニーさん。」


僕達はそろそろとその階段を進む。


「…う…キモチ悪いデス…」


肩にとまっているレイニーさんが小さく震える。


確かに。

何だろうこの異様な匂い…


動物園のような、発酵したような、臭くて酸っぱくてむわっとする空気が、階段を一歩進むごとに濃くなってゆく。


…あ!そうだ!!


「えいっ!回復魔法っ!!感染症予防っ!!」


可能な限り、広い範囲全体に向けて回復魔法を放つ。

最初の洞窟であのモザイク三人衆を回収した後に使った消臭ぢから、ここでも発揮となるだろうか?


柔らかに降り注ぐ光が消え去ると同時に、空気そのものが変わった。


「…あれ?…匂いが消えてマス?」


よし!

これで、だいぶ呼吸が楽になる。


地下へ続く階段は薄暗く、そして少し肌寒い。


レイニーさんの小さな体がぷるぷる震えているのか…それとも、震えているのは僕自身か…


下って行くと、空気を丸洗いしたはずなのに、それでもまだ僅かに澱んだものが溜まっているような違和感は残っている。


この先で良いんだよね?…多分。


僕達が恐る恐る先を進んでいると、その進行方向から、ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ、と何か、規則的な音が響いてきた。


…もしかして、足音?

でも、人間の足音にしは、妙に軽やかだし、何か、音の数が多いような?

思わずレイニーさんと目を合わせる。


「…え、エル君デスか?」


レイニーさんがらせん状の階段の先に向かって硬い声を上げた。


「…フン、ようやく追いついて来たのか。…遅いぞ、レイニー!ナガノも居るのか?」


あ、エルだ。

ふぅ…敵じゃなくて良かった。


「居るよー。」


僕は大急ぎで階段を駆け下りる。

すると、途中で狼のエルとばったり鉢合わせた。


「どうしたの?」


「フン…貴様を迎えに来たんだ。」


「へ?どうしたの?誰か怪我したの?」


「いや…あの野郎を捕えたんだけど…隊長が変なままで…」


「あぁ…」


なるほどね。

確か…普通の【チンピラ】だとあの野郎か女の子達が近くにいるとおかしくなるんだっけ。


「…こっちだ。」


僕たちは先行するエルを追いかけて地下へと進む。


階段を全て下りきると、そこは典型的な地下牢、と言った所だった。


しかし、驚くのはその人口密度!!


おいおいおい!?

奴隷貿易船かよ!?と言いたくなるような…


四畳半程度の広さの所に大の大人の男性が6人!?とか詰め込まれて居るんですが!


ココに居る皆さん、全員【チンピラ】の状態異常を発生させてる人なのかな?


見た目的にはベテラン冒険者っぽい人たちもちらほら混ざっている。


ただし、結構長い期間閉じ込められていたのか…全体的に誰もが、痩せて、筋肉が衰えている。


でもですね、そんな皆さん僕を見て言うセリフが

「『なんだぁ?コイツ…変わった髪の色してるな』」か

「『亜人か…売れば高値が付くぞ』」か

「『ぐへへ…』」の、大体その3種類なんだよね!


チンピラさんの語彙が少なすぎやしませんかね!?


「ナガノ、来たか!」


「オズヌさん!」


その牢が立ち並ぶ一番奥には、軽乗用車サイズのキーウィの雄姿が。

そして、そんなオズヌさんの足の下には、じたばたもがくコリカンの姿があった。


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