#8 小さな
電車で中学の友達に会った。ほんとうに偶然。
去年の夏、ふたりで水族館に行ってぼんやりと大きい水槽の前に立ち尽くした以来のことだった。
大学図書館で高校の友達に会った。ほんとうに偶然。
同じ大学に通っていても、広大なキャンパスとたくさんのひと。なかなか見つけることは難しくて、顔を見たのは数ヶ月ぶり。
偶然が2度も続くと、それは偶然じゃないような気がする。
今日は、2限目の講義のレポートを遅れずに出すために、いつもより2本も早い電車に乗った。何とか早起きもできた。
もしかすると、これはそのことに対する小さなごほうびなのかもしれない。
そういえば、今日は3限目の講義だっていつもより早く終わった。
小さな偶然、小さな幸せ。それがいくつも重なると、今日という日がすごくいい日な感じがする。
毎日がこんな風に小さないい日だったら もっと幸福に生きられるのに、たぶんそれじゃだめなんだろう。
でも私、毎日しあわせに、つらいこともかなしいことも何もない、ただただたのしい日ばかりを生きたいよ。それを ひとは贅沢と呼ぶのかしら。
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