#6 失恋じゃない


「髪を切った」と「失恋」がイコールで結ばれるようになったのって、いつなんだろう。

 そんなことを考える講義中。私、髪を切りました。


 伸ばす目的にひとつ区切りがついたから。そして何より、飽きたから。

 世界の女のひとがどうなのかは知らないけれど、私が髪を切る理由なんてそんな単純なもの。おもしろくもないし、ストーリー性なんてどこにもない。

 でも、そういうものじゃないの。私はフィクションの世界じゃなくて現実を生きているし。


 小説だったり漫画だったりドラマだったり映画だったり、ひとつの画として、ひとつのシーンとして、失恋したから髪を切る、という事象はとても好きだ。

 強くて弱い、弱くて強い、そんな女の子の断片が見えるような気がするから。でも、これも私の創作。


 それはそうと、ボブの女の子はかわいいと思う。

 ロングもセミロングもミディアムもショートもどれもほんとうに好きで、そのひとに似合っていたら何でもよくて、どれもかわいいけれど、でも、ボブの女の子はやっぱりかわいい。


 ボブの女の子はかわいい。私はボブの女の子になった。だから私はかわいい。

 三段論法なんか使ってみちゃったりして、今日もそう自己暗示。


 今日は友達とパフェを食べたので、たぶんめちゃくちゃかわいかった。なんて。

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