第41話 避鎮具で門内射聖

 避鎮具コムドを装着した『聖塔ミティック』は全体がすっぽりと隠れ、その輪郭だけがわかる状態だった。



「凄いですねこれ!この状態で射聖しゃせいすれば、この袋の中に鎮聖滓ザメインを貯められるんだ!」


「その通りよ。さぁ、さっそく射聖しゃせいさせてあげるわ」



 そう言いながらティアロさんは『聖門ミリオルド』を出した。


 そうか、俺もせっかく射聖しゃせいするんだし、ティアロさんも聖交渉セクルスすればお互いのレベルアップにもなる。


 まさに一石二鳥じゃないか。



「それじゃティアロさん、挿入いれますよ?」


「う………ちょ、ちょっと待って!!」


「え?」



 ティアロさんは突然俺の横を通り抜け、ベッドの中に潜り込んでしまった。



「あ、あの……ティアロさん?」


「やっぱり恥ずかしいから……この中でして!」


「この中って……ベッドの中で?」



 今さら何が恥ずかしいのかさっぱりわからないけど、女の子と同じベッドに入る事のほうが恥ずかしい気がする。


 でもまあ、ティアロさんがそうして欲しいと言うなら従うしかない。



「じゃあ、ほら。アンタはそっちから……」


「は、はい」



 ティアロさんはベッドのシーツを被り、顔だけ出している。


 シーツの輪郭から想像するに、体育座りの体勢から足を左右に開き、その間に両手を伸ばしているような感じだ。


 おそらくその両手の先に『聖門ミリオルド』があるんだろう。


 俺もティアロさんの反対側のシーツをめくり、その中に避鎮具コムドを着けた『聖塔ミティック』を潜り込ませる。


 手探り状態で『聖塔ミティック』を前進させてゆくと、その先端がコツンと何かに当たった。



「んっ………♡」



 どうやらティアロさんのいりぐちにたどり着いたようだ。


 まずは試しに『聖塔ミティック』の先っちょで『聖門ミリオルド』の縦筋たてスジがあるであろう場所をなぞってみる。


 ぬるり。


 予想していたよりもなめらかに『聖塔ミティック』がすべった。



「あ、もう準備できてたんですね」


「う、うるさいな!こんな状況だから少し興奮してるだけだよっ!!」



 興奮すると『聖門ミリオルド』の準備が早まるのか?


 なるほど、この情報は今後の役に立つかもしれないな。



「それじゃあ今度こそ挿入いれますね」


「うん……」



 じゅぶっ………!


 シーツに隠れた俺の『聖塔ミティック』がティアロさんの門内なかへと沈みこんでいく。


 相変わらずティアロさんの『聖門ミリオルド』は狭くてキツイ。


 が、二度目という事もあってか、初めての時よりはスムーズに入っていく。



「んっ……は、入ってきてる……っ!」


「だ、大丈夫ですか?」


「い、いいか……ら、続けなさいよ……」


「は、はい」



 俺はティアロさんの言葉に従い、『聖塔ミティック』を動かし始める。


 後ろに引いて、奥に突き刺して。


 その前後運動を繰り返すたび、室内に「じゅぽっ!じゅぽっ!」という水気みずけを帯びた音が響き渡る。


 そしてその音と連動するかのように、ティアロさんも堪えきれない声を漏らすのだった。



「んんっ!やっ、んっ、あ!」



 俺が奥へ押し込むたびに、その反動でティアロさんの小さな身体がズリズリと後方へと押されていく。


 そしてついにティアロさんの背中が部屋の壁に到達し、これ以上後ろへ下がれなくなった。


 ティアロさんが壁を背負った事で、俺の責め立てからの逃げ場がなくなり、『聖塔ミティック』を挿入する際の抵抗感がより強く感じられるようになる。



「ああっ!!も、もうダメっ!!私もうっ、もう聖天昇イーク!!聖天昇イークぅうぅうぅうううっ!!」


「俺もっ!出るっ!!」


「あああああああああああああっ!!」



 ドクンッ!!ドクンッ!!


 ティアロさんの門内なかで俺の『聖塔ミティック』が脈打ち、激しく射聖しゃせいした。


 だがいつもの門内射聖なかだしとは違い、今回は避鎮具コムドという壁があるせいか、射聖しゃせいの勢いが跳ね返ってくる感覚があった。


 ティアロさんは壁にもたれ掛かってぐったりとしている。


 一頻ひとしき射聖だし終えた俺は、『聖塔ミティック』を引き抜いた。


 ティアロさんの蜜にまみれた『聖塔ミティック』はテカテカと濡れており、そしてその形はいつもの門内射聖なかだしの後とは違っていた。


 避鎮具コムドの先端部分が、まるで水風船のように膨らんでいたのである。



「これが………俺の鎮聖滓ザメイン……」



 俺は避鎮具コムドを取り外し、中に溜まった鎮聖滓ザメインを眺めた。


 白く濁った粘度の高そうな液体は、かき氷にかける練乳のように見える。


 これが世界をおびやかす『炎』を鎮火する切り札。


 さっそく俺は避鎮具コムドの中に溜まった鎮聖滓ザメインを、溢さないように丁寧に瓶へと移しかえるのだった。

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