各々の思惑が絡み合う凄惨な戦場。男たちの群像劇

自らが戦場をこの目で直視しているような、作者の筆致にまずは圧倒されます。その濁流に飲まれるまま、体感を強いられる、男たちの凄惨な戦い。そこは剥き出しの欲望と大義が絡み合う世界。ファンタジーという括りだけで読み進めようとすると、大火傷する作品です。読み進めるほどに心震えます。ですがその中で生きる人間の在り方に、いつしか目を離せなくなっている自分がいるのです。

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