第3話 憂い

ある所に、光り輝く草原がありました。


そこにはあらゆる生命が息づいており、煌々とした灯りが、満面に広がっています。


〝彼〟は活気に溢れていました。


自ら漲(みなぎ)るもの全てを放出して、誰彼かまわず見せつけてやりたい気持ち。


けれど〝彼〟は独りでした。


彼には話し相手が居ませんでした。


こんなにも、あらゆるものの幸せを裡に秘めたこの僕を、誰も受け留めてはくれない。


誰と話をしていてもみな、つまらない想いをさせられる。


僕は、なんて独りなんだ。


それでも僕は輝き続ける。


そうとしかできないこの僕よ、僕の憂いの一部でも、和らげてくれる何かを求めてやまない。

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