第5話 蘇った悪いおんな

第5話

 蘇った悪いおんな   乙音メイ


 9月の終わりごろ、夫の姿はもう一月近く見ることがない。車ごと消えた。我が家としては少し平和が戻りつつあることを感じた数日もあった。だが、残された妻は細々と続けていた犯行を、再び猛烈に再開した。やはり主犯は妻の方か。全くどんな育ち方をした人物なのか、まったく理解不能。我が家が体験したことを、他でもやっていたのだろうと思う。犯行の手練手管には、テロ組織? とも思えるようなものが含まれているからだ。


(マイクロ波で警察に電話するなら、一発命中の、ソナーをお見舞いするけど、どう?)

と、言わんばかりにリング状の衝撃波を送り付けてくる。

 ソナーというのは、第二次世界大戦中に、美しい女優さんと音楽家のカップルが、魚雷攻撃を打破するために開発した、魚雷が持つ一定の周波数を捕捉して攻撃するために、周波数ホッピング無線という電波レーザーを使用した魚雷探知を可能にしたものだ。

 映画に出てくる潜水艦がポーンポーンという音を立てていたが、私は生まれて初めてその音を生で聞いた。我が家のトイレの中、その天井裏で。家の中でストーカーだ。

(どこにいるの? ポーンポーン!)

と居場所の特定にソナー、探知レーザーを送ってくる。怒っていいのに笑えてしまうから困る。


 妊娠中に子宮内部をレーザーで確認する病院があるが、それも安定期に入ってから2~3回までだったと思う。放射能被爆をさせる行為だからだ。上にいる人物は小さい子もいて、体験としてその辺のことも解っていると思うのだが。私は、海中の魚雷でもなく、クジラやイルカでもない。もちろん、クジラやイルカや魚たちもそんな扱いは望まないと思う。鹿児島県熊毛郡屋久島町安房1718-14恵○須団地E3-402号室の人物は、下の階の家の中にいる人間がヒットするまで行う。たとえそれが真夜中であっても、

「ドガーン! ズガーン!」

家のあちこちで暴力行為が行われている。


「いったいこの島に、何でそのような潜水艦じみた機材があるの?」

と思うけれど本当なのだ。


 地図に載っていない、種子島のごく近い離れ島である「馬毛島」に、アメリカ軍の基地の誘致話があるらしいという、ここでもまた、今は何時代なの? と感じる馬鹿話が何だか現実味を帯びてくるような気になってしまう。晴れているときに屋久島からよく見える隣の島に、物騒な物が続々と運び込まれるのは嫌だ。屋久島はそれでなくても、覚せい剤や、兵器並みの物が、赤ちゃんと小さい子のいる母子家庭にあるのだから、これ以上はきっぱり御免である。


 鹿児島県では、「県民の意見次第」と言っていると、ある政党機関紙にあったので、単なるうわさでは済まないらしい。けれど、地図になければ、どこの話かわからないまま、県民も日本人も、意見など持てないのではないかと思うし、これは日本とアメリカ国民の問題だ。


 鹿児島県の知事は、テレビ時代の気さくさがどこかに行ってしまっているらしいとの噂もある。お金の毒気に当てられて別人のように、なってしまったのだろうか。テレビはあまり見ないが、明るくステキな笑顔を覚えている。


 ところで、402号室上階住人宅に何故かあるソナーを、体験してみたい方があれば、喜んで家の中にお通しするつもりだ。身体に当たることは勧められないが、音だけならば。

「ポーン! ポーン!」 


   *


 2018年11月である。今は妻がせっせと我が家に、フロンガスやカセットボンベのガスや、病院のアルコール、屎尿処理場汚物の排気を送り付けてくる。さらにエスカレートしているようだ。


 汚物の排気嵐には、また別の、上に住む402号室の住人の根本にまで到達する情けない気持ち、そんなげんなり感が湧いてくる。

「上階夫人、いったい何があったの? あなたはあまりにも恥ずかしい」

夫との離婚が原因? 平和を尊ぶ我が家に八つ当たりは勘弁して欲しい。


 2018年12月25日。世間がクリスマスイブを祝って、朝、ツリーの下のプレゼントを見つけて幸せに浸っているこの日、我が家は上階から尿を贈られた。まだ温かい新鮮なものだった。だから余計に匂った。その贈り物は、年の瀬の29日と年明けの3日にも贈られた。


 こんな風に他人の家に撒いてよこすことから、患者さんの看護にカテーテルの取り付けや排泄物のパックの交換などを、どのような気持ちで行っていたのだろうかと疑問になる。ナイチンゲールの精神はどこに行ってしまったのか。大変な思いもしただろうけれど、患者さんの方だってそのストレスはさらに大きいと思う。看護士時代のうっぷん晴らしに、我が家を利用しているのだろうか? 本当に悪いおんなだ。


   *


 床の、触れるとピリピリする粉末を、掃除機で吸い取って雑巾で拭いたりすると、その音を聞きつけたのか、盗聴係と砒素担当のE‐3棟303号室住人のこちらも元看護士、その方から知らされたりすのか、

(なぜ、そのままにしておかないのだ!)

とばかりに、怒ったようにまた毒物を噴霧される。

 なぜ、と言いたいのはこちらのほうだ。


   *


ここで言っておきたい

「私たちはあなたの家畜でも奴隷でもありません。縁も因もない赤の他人です。私たちがここに住み始める一日前に別の棟から来て、翌日から、階上から騒音で嫌がらせを継続し、これは303号室の奥さまがやったと後で知ったのですが、自転車にまで被害を被り、精神的な痛手も与えられました。加えて、次には電波やレーザーや毒物まで我が家に送り込んできたのは、どんな理由からなのでしょう。

(303の奥さん、うち丁度切らしちゃって、貸してくださらない? あれよあれ、砒・素!)

と、釣り竿の先に、保育園に持参させるコップ用の布袋を括り付け、あたりが暗くなった頃、402号室のベランダから、斜め下の303号室のベランダに投げ入れ、その中に削った砒素を入れておいてもらい、後で回収するという。

 

 あなたがいくら仲間内では日常茶飯でも、うちでは、毒を摂取する趣味はありません。暴力行為が根本から好きなのか、お金儲けとして誰かに雇われているのか? お答えください。バキュームカーのし尿の排気を何度も繰り返し送ってくるのは、衛○社とは暗い仲間として癒着があると、告白しているように思えますが。ほかにも病院で注射するときのアルコールの匂いも、トイレや玄関などに送り付けてきましたが、看護婦として働いていたあの病院とも暴力仲間なのですか? その行為は人間としてどうでしょう。 (2019年2月16日の加筆)映画などによると、電気から体を防護するためのチョッキを付けた医師と、看護師もチョッキ姿で、

「離れて! バンッ! 離れてっ! バンッ!」

と言いながら使う、心臓への電気ショックをもたらして蘇生させる装置「AED」を、天井上から最大出力で送ってくることは、おやめください。何にせよ、やっていいこと、悪いことの簡単な判断方法として、保育園に通うあなたのお子さんと赤ちゃんに、もたらすことができないことは、我が家にもお止めください」


 AEDはレンタルであっても、高度管理医療機器のため、高度管理医療機器等販売業、賃貸業の認可がいる。無認可のレンタル、これだけでも貸与した屋○島徳洲○病院(2019年2月名称変更で、徳洲○屋○島病院から前述の名称に変更された)側の双方、罪になる。我が家の天井上から、バンッ! というAEDの音がすると、ものすごく圧力を感じる。心臓がしっかり動いている人の血管には、悪そう。鼻血が出そうになるし、胸全体に圧力がかかる。魚だったら浮き袋が破裂するのかもしれない。私と息子に万一異変があったら、このことを思い出し、このAEDも毒物、電磁波、マイクロ波、レーザー、レーザーメス、部屋ごとボディスキャンするという放射能被曝も加味し、東京の検察当局には、起訴も告訴もお願いいたします。

 

 そのAEDは、E‐3棟402号室に一台、303号室に一台、我が家の上と隣に計二台ある。

 303号室の住人は、ベランダの我が家との境の薄い衝立の向こうからAEDを放ってくる。このベランダからは、砒素の薫煙や肌に痛い霧状の毒物など、いろいろ送られてくる。去年の夏は、室外機にダクトをつなげて直球のフロンガスが303号室から来て、窓を閉めて過ごすなどをしなければならなかった。クーラーの設置のない集合住宅の存在には、屋久島に来るまで知らなかった。珍しいと思った。暑かった。し尿処理の排気も、嵐と思うほどの最大出力でこのベランダから送られた。し尿処理の排気には毒素が含められていた。

「ガリガリ、ゾリゾリ」と怖気を誘う音と共に、ダイヤモンド鋸で砒素塊を削るのもここだ。

 303号室の住人の可愛らしい子供たちはE‐2棟304号室から、最近はE‐1棟に住んでいるらしい。学校が休みの日曜日など、3週間に一度くらいしかE‐3303号室には来ない。いい子に成長しているように感じられるだけに、両親の行為を残念に思う。もし高校生の長女を芸能界入りさせようと考えているなら、親は子供のために犯罪集団を頼みにせず、子供自身の力を信頼して、カルトと無縁の劇団や、歌のレッスン等に通わてみたらと思う。きっと表情も明るいスターが誕生すると思う。

 

 恵○寿団地付近で、心肺停止様の緊急時には、安○小学校すぐ横、「ヒロ」というおいしいパンを売るお店の50メートル上にある恵○須団地E‐3棟402号室と303号室にAEDがあるので、真に重篤で、4分以内に何とかしたい場合には、お嫌でしょうが交渉してみてはどうか。でも、そのような患者がいらっしゃらないことのほうを望む。 




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