第16話 ノート page15

「……パパがどうしてもって言うんだったら、私、ちょっとは考えてもいいかもしんない……」

「無理しなくていいよ。おまえにはおまえの考えがあるだろうから」

「2年なら考えてもいいかなァ。パパがそれほど言うんなら」

「パパのためにか?」

「まあ、そういうことになるかな」

「どっちでもいいけど、自分で決めなさい。自分自身のことだから」

 あとから考えると、すっかりパパの巧みな時間差攻撃に嵌められていたのです。

 結果的にはそれでよかったと思っています。

 家にいることの少ないパパでしたが、私のことを本当に心配してくれました。

 それがとても嬉しかった。

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