第34話 太陽系内地戦。その11

『こちらタイガー、Y軸上に敵がいるかもしれません!しかもステルス機!』


「⋯⋯!」


 ダミオスはミノルからの通信に耳を疑った。


「艦長!これは⋯⋯!?」


 CIC内がミノルからの通信でザワつく。


『ステルス機』は確かにレーダーから隠れるにはいいかもしれない。ただ、どんなに良いレーダー吸収剤を使ったとしても完全にレーダー上から消える事はほぼ有り得ない。

 ある一つの方法を除いて⋯⋯


「まさか、あの時と同じか?」


 そしてダミオス達はその方法を知っている。


『アクティブステルス』これならレーダー上からに消える事が出来る。

 レーダーの周波数を知っていて、ある一定の技術が有ればだが⋯⋯


「艦長!レーダーの周波数を変えましょう!また、あの惨事と同じ事が⋯⋯!」


 ペッパーが感情的にダミオスを煽る。


「ああ、パッシブレーダーの周波数を変更。」


 ダミオスはそう言って、レーダーディスプレイを注視した。


「了解!」


 レーダー担当の隊員がレーダーの周波数を変える。

 レーダーディスプレイが更新され、ディスプレイの中心から円が拡がっていくと、ポツンと1つ光点が光った。


「あった!」


 ペッパーは椅子から前に乗り出して叫ぶ。


「こいつか⋯⋯」


 またすぐに光点は消えたが、見つけてしまえばこちらのもの、ダミオスは急いでミノル達に敵の居場所を教える。


「ミノル!居たぞ!!」


 無線のボタンを強く握り締めながら、ダミオスは更に通信先を変更する。


「こちら『EP-203』。敵のワープ母艦と思われる艦を確認。アクティブステルス艦の様ですが、工学照準を完了しています!」


 ダミオスはほんの一瞬だった敵探知中に工学探知で照準マークしていた敵の座標を旗艦である『シュヴァルべ』に送る。


「『シュヴァルべ』了解。敵探知感謝する、『EP-203』も敵母艦の迎撃援護に向かってくれ。」


「了解。」


 このやり取りを横で聞いていたペッパーがすぐに艦橋へ転舵の指示をし、CIC中の隊員に叫ぶ。


「対艦戦闘用意!!」


「了解!」


 ★ ★ ★


 遅くなって申し訳ありません。


 死んでます。風邪ひきました⋯⋯



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