第10話『縺ゅj縺後→縺??√○繧薙○縺』

「先生、お茶淹れてきましたよ」


何時もはアリツカゲラが持ってくる物を、今日はアミメキリンが珍しく持ってきた。

トレイには、カップが2つとティーポット。

角砂糖の入った陶器の瓶。


「ありがとう」


筆を置く。手際良く彼女が紅茶を淹れてくれた。


「先生....」


「どうした?」


「...何でもないです」


そういうやり取りも気掛かりとは思わずに、

私は彼女が淹れてくれた紅茶を飲んだ。



「...んっ」


突如、何かに吸い込まれる様にして意識を失った。





先生へ


先生、私はあなたに感謝しています。


あなたのお陰で、文字を書けるようになりました。

あなたのお陰で、字も読めるようになりました。


しかし、今思えば、あなたは大ウソつきでした。その天寿を全うした時、地獄に落ちて舌を引っこ抜かれるでしょう。何枚舌があっても足りない。


それでは先生が可愛そうなので、私がもうこれ以上先生にウソが吐けないようにします。


これは私から先生へのお礼です。


この手紙を先生が読んでいる頃、きっとそのお礼が贈られている頃でしょう。


今までお世話になりました。先生。

お幸せに。



目覚めた時、私は卓上に置かれたその手紙を読み驚愕した。


彼女は、全てをのだ。


そして彼女の姿はなかった。


彼女の名を呼ぼうとしたとき、


「......!」




私は自らの声を、失っていた。














「こんにちは」


「誰です?

...あれ、お前はあのロッジにいた...」


「覚えててくれましたか。ブタです」


「何故こんなところに?」


そう尋ねると、明瞭に、


「掃除に来ました」と、答えた。


「掃除?」


「ええ。キョウシュウに蔓延る、親友を蔑ろにし、ひたすら快楽に溺れた悪女の掃除を」


言葉の意味がわからなかったが、その意味は彼女の次の行動でわかった。

腰からスプレー缶を取り出すと、自分に向かって噴射したのだった。


「ゴホッ...!ゴホッ...!何をっ...うっ...」


目や皮膚が痛い。立てずにしゃがみこむ。


「催涙スプレーですよ。大丈夫です、命までは取りませんから。私はアミメキリンさんの復讐を代行しているまでです」


「やめ...ゲホッゲホッ...」


彼女は枝切りバサミを持っていた。

そして...。


「ああああああああアアッ!!!」




「愛する人を寝取るとこういう痛い目に遭うんですよ。アミメさんの気持ち、わかりましたよね?片翼は残しておきますよ」


ブタはそう言い残し、去ってしまった。



「うっ...うあぁぁぁ...」


当の本人は、痛さにもがき苦しんでいた。












あの日から1年が経った。

声の出ない彼女は、もう私の望んだ彼女じゃない。しかし、私がアミメキリンから彼女を奪ったのは事実である。それなりの、代償かもしれない。それか、助手の呪いかもしれない。

私は空を飛べなくなった。サンドスターに一縷の望みをかけたが無駄であった。


私は天罰であると全ての運命を受け入れた。

彼女に苦労を掛けさせたのも、全て私のせいだ。この生活が自分にとって限界を迎える時が来るのであれば、私は彼女と、この図書館と共に、心中しよう。それが幸せではないか。


そもそも、幸せとはなんだろう。


「タイリク、私の事は好きですか?」


彼女は頷いた。

そのあと自分に向かって指をさした。


「もちろん...、好きです」


そう答えた瞬間、本能的に右手のライターを強く握りしめた。







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【コノタイ】白青物語 みずかん @Yanato383

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