vs『愚者』ユージョ=メニーマネー(中編)
「バカな……バカなバカなバカなっ! どうして、巨大ロボがこの世界にいられるっ!? カードの効果で、ここには姿すら現せないはずだ……っ!」
ユージョーが、激しく動揺する。
ブラックカードの、『プレイヤーズアンノウン』の効果は、一定以上の力を持つ者を排斥する効果。
それが通用しないなど、悪夢としか思えなかった。
「そうだろうな。現に
漆黒の騎士が――シュランメルト・バッハシュタインが、ユージョーを指でさして告げる。
「なりそこないとはいえ、貴様は
「…………」
ユージョーは、声が出なかった。
正体不明の、しかし自分たちより間違いなく強い存在を見て、しかもカードの効果を無視してこの世界に介入したというのであれば。
もはや出来る事は、手持ちの戦力で抗う事だけである。
「須王龍野、安心しろ。ヴァイスシルトというお前の姫も、今頃はアルマガルム・アークエグゼが助け出している。
「あ、ああ!」
その言葉と同時に、漆黒の騎士――
「下がっていろ。
「分かった!」
龍野は魔力の噴射方向を変え、一気に距離を取る。
十分な距離を取ったのをシュランメルトが確かめると、ユージョー達に向かって告げた。
「では、貴様達悪逆の徒をここで討つ。その
そしてそこから漆黒の結晶を伸ばし、大剣と大盾を形作ると、大剣を眼前に捧げるように構えた。
「覚悟しろ」
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