第6話 スマホを検証します!

 スマホはポケットに入っているはずだ。制服のポケットを探るとそれはあった。


 起動はする。使えるようで良かった。


 検索アプリをタッチするが、検索中のままだ。その状態で部屋を出る。


 やがて繋がらないことを表示して、画面は止まった。


 むぅ、検索は無理か…。

 この情報源がチートにつながるかと思ったんだが。


 まぁいい。アイテム増殖が出来るだけ助かる。


「カリン、これと同じヤツ見なかった?」


 俺はカリンにスマホを見せて聞いてみる。


「その石版なら村長むらおさが持って行きました」


 なにィ⁈


 って、使い方わかんのか?パスワードあるし、日本語だし。たぶん使えないな。念のため…


「カリン、これ読める?」


「私は字はあまり習ってなくて…」


「見た事は?」


「このような文字は見た事はありません」


 よし、日本語は読めない。

 ロックもかかってる。

 これに関してはOKだな。


 さて、あの狼をどうするか。

 まずは腹ごしらえしようか。


 カリンを部屋に誘おうかと思って、妙に緊張する。じょ、女子を部屋入れるのはマズイかな?


 そしてはたと気がつく。

 パンを増やすには部屋の外で食べるしかないじゃないか。


(良かった…ほっ)


 菓子パンを渡すとカリンは驚いていた。一口食べてさらに驚く。

「こんな美味しいもの、食べたことありません」


 いいねぇ、こういうの。


「ヒロキは神様ですか?」


 いやいや。


「そんなんじゃないけどね。たぶん君の村を助けに来たとは思うんだよな」


 そしてあの狼について聞いてみる。


「あれは闇の魔物の眷属けんぞくです。黒い雲とともに訪れて村人を襲います。まだ村の中まで侵入してきた事はありません」


「退治した事は?」


 カリンはゆっくりと首を振って否定する。


「ありません。いつも追い返すのがせいぜいです。今回はヒロキを…その…食して帰って行きました」


 んん?

 それって、まさか俺が毎回喰われて追い返すって…のはイヤだぞ!

 何か対策を考えねば!


 俺は部屋の中にある物を思い返してみた。


 つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る