襲い掛かる敵たち

さとる一行が、間宮コンツェルン入り口に到着した時の事だった。

まずは、北条さん、藤原さん、伊集院さんが車から降りた時、

シュッっと一筋の鞭が飛んできた。

「伊集院さん、伏せて!」

藤原さんが、伊集院さんをかばった。

バシッ!

「うっ!」

「藤原さん!」

藤原さんが鞭の直撃を受けた。

「藤原さん、大丈夫ですか!」

ズキズキする肩をこらえて、藤原さんは笑顔で、

「大丈夫ですよ、なんのこれしき」

と答えた。


「うふふふふ♡ 来たわね、新堂」

どこからか気持ちの悪い声がした。

「何者だ!」

北条さんが叫んだ。

頭を緑に染めた、三人組の男たちがピョーン、ピョーンと現れた!

「ワタシたち、グリーン

「うわ、確かにブスだ・・。おぇ」

思わず北条さんが呟いた。

「何ですってー、ムキー!」

グリーン達は怒り狂っている。

車から慌てて、さとると武、圭二が降り立った。

「藤原さん、大丈夫ですか!」

「こちらは私達が食い止めます! 皆さん先を急いでください!」

北条さんが答えた。

「大丈夫ですよ! これしきの敵、なんともありませんよ!」

藤原さんは笑顔で言った。

「ムキー、三人まとめて始末してやるわー!」

敵はやる気満々だ。

「任せたで、三人とも!」

武が応じた。


「俺達は先を急ごう!」

さとると瑠璃、圭二、武は間宮コンツェルンの入り口を開いた。

階段をのぼり、二階までやってきたが、人の気配がしない。

「おかしいな、人の気配がしない・・。」

圭二が言ったその時だった。

「ふはははは! 来たか新堂!」

「あれは・・・シルバーフォックス!!」

圭二が叫んだ。

「あっれー。みっちゃんやないかい。」

ひょんなことを口走ったのは武だった。

「だーれが、みっちゃんや。わしはシルバーフォックスやて」

「あれまあ、白髪になってもうて、目はどうしたん?」

「白髪じゃないのー! ブリーチ! 目はカラコン!!」


「・・・と冗談はさておき、久しぶりやな。光流」

武は真顔に戻って言った。

光流と呼ばれたシルバーフォックスは、

「家出したバカ息子が何の用で戻ってきた!」

と言い放った。

武は光流に、

「この忌まわしい財閥をぶっ潰すためや!」

と、喧嘩腰に答えた。

シルバーフォックスは、フフンと笑って、

「武流も葬ったことだし、間宮財閥は完全に我が手中にある。

潰されるのは貴様らの方だ」

と、ビシッと言った。

武は圭二に、

「けーちゃん、ここはお前の力を借りるぞ」

と、呟いた。

「当たり前だろ」

圭二も頷いた。

そして二人は、瑠璃とさとるをシルバーフォックスの間から通すと、

「さとくん、るーちゃん。お前らは叔父貴の所へ行け!

ここは俺達が相手をする」

「たけちゃん!」

「いいから!」

「分かった! 後は頼んだよ!」

さとるは瑠璃を連れて、最上階まで続くエレベーターに乗り込んだ。

「二対一か。上等だな」

シルバーフォックスが余裕の目つきで二人を睨んでいるのが見える。

「みっちゃん、負けへんで」

「だーかーら! だれがみっちゃんや 。 あれ? 眼鏡とちび、先へ行っていいと思ってんのー?!」

「お前の相手は俺らだ! いくぞ!」


たけちゃん、けーちゃん・・ありがとう。必ず叔父さんを説得してみせるよ。


さとるは瑠璃の手を握りしめ、エレベーターの最上階へと向かったのだった・・・。







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