日常?

結局、俺達は彼女、朝日 ヒロミ(女)が乗った電車の一本後の電車に乗った。

まさか、こんなタイミングで時野恵美と会うとは思っても見なかった。

と言うか恵美も同じ学校なんだから、この辺りの時間の電車に乗るのは当たり前か。


ちなみに俺達は電車を乗り継ぎ、高校がある最寄り駅で降り、学校に向かって歩いている。



「なんだか今日は朝からついているのか、ついてないのかわか分からない‥‥」



俺が気落ちしながら歩いていると、俺の一歩後ろを歩いている、妹の明美に恵美が少し心配そうな顔をして聞いてきた。



「ねぇ明美ちゃん。先輩に何かあったの?落ち込んでいるみたいだけど」


「うん‥‥‥ちょっと朝からね‥‥‥」



恵美の問いに、いつもの明美らしくない、元気のない返答をしたので、



「2人とも何かあった?‥‥‥まさか!兄妹喧嘩!?」


「えっ?‥‥‥そっちの方がマシかも」



明美の返事に恵美は不思議そうな顔をする。

確かに俺達兄妹は仲が良かった。

それは恵美もわかっている。だから余計に心配するのだろうと。

だから俺は、



「恵美、心配してくれてありがとな。けど、大丈夫だから」


「う〜ん。本当に大丈夫ですか?」


「大丈夫だって。そんな小さなガキではないんだし」


「えっ?先輩てガキではなかったんですか?」


「はあ?お〜ま〜え〜な〜あ〜!」



俺をからかっているのか、それとも気落ちしている俺を元気にさせようとしているのかわからないが、クスクス笑う恵美を見ていた俺は、少し元気が出てきた。

そんな恵美を見て俺はフッと思った。


「なあ、明美」


「‥‥‥なに?お兄ちゃん」



まだ、少し元気がない明美に、俺は明美の頭に手を置き少し撫でてあげた。明美はこれがらすごく好きだから。



「あっ‥‥‥お兄ちゃん、うううっ‥‥‥やっぱりお兄ちゃんのナデナデ気持ちいい♡」



少し機嫌が良くなった明美の耳元で



「仮にだぞ!これは100パーないがな。恵美と俺が結婚したらどうなる?」


「えっ?唐突にどうしたの?‥‥‥お兄ちゃんと結婚したら?どうなるの?」


「恵美がお前の義理姉おねえさんになる」


「えっ!恵美ちゃんが!考えたくない!」



俺達の会話が聞こえたのか、恵美が頬を少し膨らませ不機嫌そうに



「なにか2人とも私の事酷くいってない?」



俺達2人は首を横に振ると、恵美は俺達を見て、今度はニコリとすると



「まあ、先輩と私の結婚は確定ですけどね♡」


「おい!何が確定だよ!それに見ろ!明美、硬直してるぞ!(硬直はしてません)」


「うううっ、酷い明美ちゃん。‥‥‥けど、そんなの慣れればね。あと、何かあれば将来の義理姉おねえさんに任せなさい♡」


「恵美ちゃん、それ想像できない」


「うううっ、酷い‥‥‥」



そんな会話を俺達はいつのまにか、笑いながら話していた。まあ、恵美は本気で考えていると思うけど。


ただ‥‥‥俺はこの後学校で不思議な体験をすることになる。

そして、あの「世界に選ばれた」「特異点」の意味を知る事になる。






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