第23話 復劇

放課後、教室にて、クラスメートに囲まれてなかなか話しかけずらかった雲水に話しかける。


「雲水、大丈夫か?」


「大丈夫.....だよ。ありがと、さぐりん」


正直大丈夫そうには見えなかった。けれど、そこには触れずに聞く。


「どんな奴だった?顔とか」


「実は私は相手の顔を見てないの。でも警察が来た時に、私を助けてくださった男の人が犯人の特徴を言ってくれたんだ」


「そうだったのか...怖いな」


「うん....本当にね......」


────────────────────


放課後、さぐりんが心配して話しかけに来てくれた。大丈夫だと言いつつも、私は恐怖で震え上がりそうだった。


そして、昨日からずっと抱いている一抹の不安をとうとうさぐりんに打ち明けようと決めた。


「あのさ、さぐりん」


「ん?なんだ?」


「転校生の三島君っているでしょ?」


「ああ、あの爽やかイケメンか」


「実は私、あいつにいじめられてたの。」


「えっ?ほんとに?」


「うん、中学校の時に........」


そして私は、中学から今に至るまでのことをさぐりんに打ち明け、昨日の男も三島の知り合いかもしれないということも伝えた。

本当は言うのが怖かったけど、さぐりんならこの過去を受け止めてくれる。そう思った。



けど、違った。



私が話している間、さぐりんは終始真顔で聞いていた。そして、私の話が終わると、口を開いた。


「そうか、それは大変だったんだな。でも雲水って虐められるような芯の弱いやつだったのか。」


「え、わたしは、芯が強いなんてことないよ」


「そうだったのか....なんか、失望したわ。」


嫌な予感がする。


「ごめん......」


「なんか今とのギャップありすぎて、俺は今の雲水は好きだけど、そんな過去を持った雲水は、正直受け付けられない。」


「今まで黙っててほんとにごめん.....」


「ちょっと気持ちの整理つくまで雲水とは会いたくない。」


「えっ?」


正直こんなことにまでなるとは思っていなかった。展開が急すぎてついていけない。


「ちょっと待ってよ、お願いします。そばに居させて。私はさぐりんといることか唯一の楽しみなの。」


そしてため息をついて、さぐりんは言った。


「じゃあ、クラスメートの秘密と情報教えろよ。」


低い声だった。ビクッと体が震えた。


「え、なんで.....?」


「お前にそれを聞く権利あるの?」


「ないです.....」


クラスメートの秘密は自分が死ぬ気で集めたものだ。この武器を渡すのは命を渡すに等しい。

けど.....これを渡してさぐりんと一緒にいれるなら....

私はさぐりんを信じたい。


「分かった。教えてあげる。」


そして、スマートフォンのメモ帳からクラスメートの秘密を全てコピーして、さぐりんのLinuに送った。

そこで初めてLinuを交換したが、そんなこと気にならないくらい私は焦っていた。


「よし。これでいい。約束通りそばにいるのは構わないが、気持ちの整理が着くまでお前に話しかけるつもりはない。じゃあな。」


「あっ.........」



終わった...............


さぐりんに嫌われた.........


自分の命と同じくらい大切なものを渡してしまった.....


なんで....なんでこうなったの?


教室から出るさぐりんの背中をみて、私は途方に暮れたのだった。


────────────────────


改行の仕方とかを少し変えてみました。どうでしょうか。感想、お待ちしています。


それにしても一体探君はどんな人なんでしょうね?



こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。特にレビューして下さるとすごくハイテンションになって裸で踊り狂います。質問等もお待ちしております。

毎日21時投稿を心がけておりますが、嵩いの李は現役高校三年生、受験生なので、やむを得ず投稿できない日もあります。何卒、御理解お願いします。

これからも『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。


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