第10話 白馬の王子はケダモノ?!

「それなら走らせて見せよう!」白馬の王子はそう言って馬を全速力で走らせる。

 うしろに乗っていたガブリエルは王子の腰に手を回している。

 ポツンと姉エルモは取り残された。

「ふはは! どうだ? ガブリエル?」

「ちょっと待って! 止めてよ!?」

 そう言われて、白馬の王子は馬を止めた。

 ヒョイッと降りたやんちゃ令嬢ガブリエル。

 白馬の王子も馬から降りる。

「あれ? ここはどこなの?」ガブリエルはそう言った。

「ここは山の中、さあ、ガブリエル? おいで?」王子は何か怪しい。

「やだ!」やんちゃ令嬢ガブリエルは拒否した。

「フフ、おとなしくおいで?」王子はケダモノである。

「うるせー! このロリコン!」やんちゃ令嬢ガブリエルはそう言った。

「よろしい。ならば力ずくだ!」そう言って王子はガブリエルに飛び掛かった。

 しかし、やんちゃ令嬢ガブリエルは王子の鼻っ面にグーパンをかましてからの股間を一撃に蹴りあげた。

「ふんぬ~~……!?」王子は情けない声をあげながら地面で男にしかわからない苦痛にのたうち回っている。

「フンッ! 失礼しちゃう! とんだケダモノ王子ね!?」やんちゃ令嬢ガブリエルはそう言って、一人歩いて帰って行った。

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