陰キャのフリをしている僕が学園の3大美女を攻略するまでの話

@iomina

第1話 プロローグ

「ピロリン♪」

朝、携帯の着信音で目が覚めた。

眠たい目をなんとかこじ開けスマホを起動しメールを開くと、差出人は女優をやっている姉からだった。姉さんはいま撮影でアメリカに行ってるのである。

長身の8頭身で顔もきれい系の大和撫子のような女性なので、21歳なのだがもっと上に見られる。本人はそれを気にしているようだが…

余談が長くなってしまったようだが、姉さんから送られたメールの内容はこのような感じだった。


「ジュン!おはよ~!

今日は高校の入学式でしょ?あの約束ちゃんとおぼえてる?

お姉ちゃんが居ない間に勝手に彼女作ってたりしたらお姉ちゃんショックでグレちゃうんだからね?

今日も大事な撮影があるからジュンの晴れ姿を見に行けないのが残念でならないよ…(泣)」


うむ、実にブラコン感あふれ出るメールだったなぁ。

ちなみにあの約束とは、姉さんが帰ってくるまでは変装をして高校生活を送れというものである。

なぜこのような約束が交わされたのかと言うと、俺の顔がイケメンすぎるからである。は?何言ってんの?と思っているそこの君、まずは話を聞いてくれ。

俺の両親は父がフィリピン人で母がカナダ人だから、俺の顔はどうあがいても日本人には見えないわけだ。さらに父さんはフィリピン代表のサッカー選手で、サッカーに興味がない人でも名前は知っているようなイケメン選手なのだ。

母さんも母さんで、世界的に有名なファッションデザイナーなのだ。母さんは自分でデザインした服を自分で着て宣伝するというモデルのような役割もしている。

とても回りくどかったが、僕がイケメンだということは分かってくれたかな?

まぁどの国でもイケメンはモテるわけで、中学時代にた回数は実に500回を超えている。同じ相手から何度も、と言う感じだから人数で言うと250人位かな?

まぁ俺もかわいい子とか面白い子は好きだから何人かとは付き合ったけど、結局はフラれちゃうんだよね…。

しかも全部同じ理由で…。


「ジュン君がイケメンすぎて自分に自信が持てないよ…」

とか、

「ジュン君の家系に私なんかが入っちゃだめだと思う…」

などなど。


俺はその子の中身もちゃんと好きだから付き合ったのにみんなルックスの事だけを意識してるんだ。

それを姉さんに相談したら、


「ジュンはお姉ちゃんのものだからお姉ちゃんのことだけを考えていて…

お姉ちゃん、1か月後からアメリカに撮影に行くけどその間に彼女作ってほしくないからお姉ちゃんが帰ってくるまではダサ男に変装しててね!」


と言われた。

まぁ彼女はもう当分要らないかなと思っていた時だしせっかくなので姉さんの提案にノル事にしたわけさ。

姉さんの好意を受け入れたわけではないが、俺の返事を聞いて上機嫌になった姉さんを悲しませるわけにはいかないのでそっとしておいた。



と、まあこんな感じで姉さんと約束をしたまででござる。


ってかもうすぐ入学式じゃん!!!!!

早く変装して家でないと!!

それじゃあみなさんまた後で!!!!

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