24日目『自問未答』

 懐かしいベンチを見かけた。

 幼い頃なぜか気に入って、いつも座りたがったベンチ。

 立ち止まって一度瞬きしたら、ピンクの服を着た子供が座っていた。

 ……昔の私、だ。


「ねえ、おねえちゃん」

 懐かしい声で、小さな私は喋る。

「今、たのしい?」

 答えが出なかった。

 代わりに、涙が滲んだ。

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