第2話

-ほとぼりが覚めないうちに-

・お母さんお父さんへ

今までありがとう。私は違う世界にいたようなのでこの世界からいなくならなければいけなくなりました。さよなら

最後にあなたのせいではないですよ




中学に入学して次の日に、あの子の母親にこんなものを渡された。

当時流行っていたキャラクターのメモ帳にあの子の字で遺書がかかれていた

あの子の母親いわく、中学にはいってあの子のことも忘れただろうからと彼女も私と同じで私の名前を忘れてしまったのだろうか?

私は、入学して初日に5人も友達ができた。

点数なんてつけてなかったし幸せだった。

けどこんな遺書を読んだから私はまた点数をつけてしまった。

はじめはみんなの顔が見れていたのに、顔に点数が表示されて誰も顔が見れなくなった。

友達まで採点してる私ってホントに最低ね

もう一人の私が死んでしまえばなんて

その日は一晩中あの子の書いた遺書を眺めてた


-点数をつける理由-

この私が点数をつけてしまう理由は実はあって、理由は姉のせい

姉は完璧な人間だった。性格も完璧だったし、

でも今は違う。性格はよくない。姉が変わったのはフィギュアスケートで成功してから。

姉は4歳の頃からフィギュアスケートをしていた。

そして努力家で真面目な姉は、すぐにバッジテストで5級をとりコーチからも天才なんていわれて毎日楽しんで練習してた。

そんな姉を見て育った私。

もちろんはじめてから上達するのも早かった。

姉と私は1歳しか離れてなかったから、大会もだいたい同じだった。

私も努力家ってほどでもなかったがメキメキ上達していって姉と同じバッジをもらうことができた。

そして、同じ大会(小さな大会)に出たのだが私は優勝し、姉は3位に入った。

姉は、悔しがり練習を毎日毎日ずっとずっとしていた。

私なんて普通に練習してたからあっという間に抜かされて次の次の大会なんて私最下位になって姉に

「あんたが努力しないからこんな点なのよ」

「あんたの練習は1点ね」

「あんたがしないから点数をつけられるんでしょ」

「あなたは恥」

何て言われて、ジャンプひとつ跳ぶだけで

「5点」「23点」

とか言われてるから姉の顔面が点数になった。

私が「7点ね」と言われたら姉の顔面は7に代わりまるで数字が姉の顔面にずっとついているような感じだった。

はじめは大好きだったジャンプも跳べなくなって、姉も口から下しか見えなかったからもう怖くて9歳の時にフィギュアをやめた。

そして今はみんなをなぜか私が嫌でたまらなかった点をつけている…ホントに変だな私って

姉は現在中学2年昨年の世界大会で5位に入ったらしいホントに姉が憎い

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