第14話 貴様に選択肢はない……さあ、食え


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"僕は目覚めた……"

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黙れナレーション!こっち来るならあっちいけ。



さて、魔王討伐をしよう


そんなことを朝起きてぼんやりする頭で考えた。

というのも、モヤモヤした心が自分のスタンスを壊そうとしているような気がしたからだ。


というわけで魔王を殺す。

まだストーリーを進めてないから、魔王はなんもしてないし、ただ魔界とかいうジメジメしてて真っ暗な場所に引きこもっているだけの人だけど。

このゲームは某RPGと違って壺や宝箱で壁の中に自分を押し込めば魔王城一直線とか、行けるわけではない。


なんとなく、勇者に倒される前に倒したい。ひねくれ者なら皆そうするだろう。

と、いうか、勇者くんがストーリーを進めると各地からモンスターが湧いて襲撃イベントとか始まってしまうし(経験済み)




……この作戦の概要を説明しよう。(渋い声)

イベントを消化せず、同時に勇者くんの妨害をし、ストーリーを進ませず魔王を倒す。

ただし、魔王を倒すにはイベントアイテム聖剣が必要だが、勇者ではない自分には持つことが出来ない。

しかし、勇者を魔王討伐に連れて行けるようにするにはイベントやストーリーを消化するしかない。だが勇者がストーリーを進めて仕舞えば、色違いのクソ暗黒ドラゴンシリーズが登場してまともに遊べなくなる。

昔のソシャゲ如く、煉獄の修練をプレイヤーにやらせる苦行のような作業は結構こけこっこぅ!



さて、宿から出るわけだが素直に階段を降りてドアから出るわけにはいかない。

何故なら99.9%の確率でイベントが待っているからだ。

これはあの、闇金門番と同じで、強制的に負けるクソイベントだ。


まずプレイヤーが宿から出ようとすると、宿の主人がいらんお節介をかけてくる。ここはムービーではなくストーリーなので、"はい、いいえ"の選択が出来る。


『ああ、君、どうだね、朝ごはんまだだろう。食べていかないかい』

『……"宿の主人が好意で無料で朝ごはんを提供してくれるらしい。食べて行きますか?"……"はい、いいえ"』


この時、はいを選べば、イベントは始まる。

では、いいえを選べばどうなるのか?

これがこのイベントのクソな点だ。


『いいえ』

『ええっ!どうしてだい!!!』

『"美味しそうな匂いが漂ってきた……貴方はお腹が空いてきた"』

『遠慮しなくていいのよ!ささっ席について?』

『"お腹が空いている……食べて行きますか?"……"はい、いいえ"』


ここで、はいを選べば、イベントは始まる。

では、いいえを選べばどうなるのか?

これがこのイベントのクソな点だ。(デジャヴ)


『いいえ』

『ええっ!どうしてだい!!!』

『"美味しそうな匂いが漂ってきた……貴方はお腹が空いてきた"……"お腹が空いて動けない"』

『"食べて行きますか"……"はい、いいえ"』


ここで、はいを選べば、イベ(ry

もちろん"いいえ"だ!


『いいえ』

『ええっ!どうしてだい!!!』

『"美味しそうな匂いが漂ってきた……貴方はお腹が空いてきた"……"お腹が空いて動けない"』

『"空腹で頭がおかしくなっているらしい"……"食べたいなぁ、あー食べたい食べたい食べたい……"』

『"食べますか?"……"はい、いいえ"』


こ(ry

"いいえ"


『いいえ』

『ええっ!どうしてだい!!!』

『"美味しそうな匂いが漂ってきた……貴方はお腹が空いてきた"……"お腹が空いて動けない"』

『"空腹で頭がおかしくなっているらしい"……"食べたいなぁ、あー食べたい食べたい食べたい……"』

『"頭が痛くなってきた……食べたい食べたい、食べたい!お腹すいた、食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい"』


『"食べますか?"……"はい、食べる

、食べます"』


ほらな。

結局のところこうなる。誰だよ、このゲームのシナリオライター!!!!!

ジャイアンのうまいか美味しいかどっちだ?と同じじゃねえかっ!!

プレイヤーに選ばさせる意味って何?


マジで。


ちなみに、このイベントが始まると、何処かで見たことのあるような大食いのミニゲームが始まって、プレイヤーは途中で食べ物を喉に詰まらせ死ぬという理不尽なイベントが待っている。

つまり、俺は魔王云々よりも、即死強制イベントを起こしてくるラスボス、宿屋の主人を回避しなければならない。


回避方法は、簡単だ。

空中ジャンプで天井を突き抜けて外に出ればいいのだ。


まあ、これも手抜きのせいなのだが、壁同様に壁として認識されておらず、壁に見えるだけで通り抜けられる場所という感じだ。

クソゲー極まる。


#%_鍋gを取り出した俺は、自然な動きで信号弾を炒め、空中回転を決めながら屋根から脱出した。




ーーーうぁぁぁぁああああっ!!!!!



……何度も言うが俺の声ではない。

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