1万文字以内で、これ程の表現ができるものなのか

これは、「大人」が読む作品だ。
ここで言う「大人」とは、単に年齢が二十歳を越えているか、という事ではない。精神的に成熟している、酸いも甘いも経験した人間が読むべき物だろう。
不倫を題材にしているとか、やや難しい表現があるとか、そんな単純な理由でなく。様々な物事を経験した「大人」であれば、より、この物語の味わい深さを楽しむ事ができるだろう。
僅か1万文字以内の短編小説なのに、ぶ厚いハードカバーの新書を読み終えたような、深い満足感に浸れる作品。それが本作の魅力であろう。

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