第2話

「どうしたんだい? こんな真夜中にこんな場所で? カゼをひくから早く家に帰りなさい」


 突然の声におどろくようにして顔を上げた少年は、目の前にたたずむサンタを見てさらにおどろきの表情を見せました。


 サンタが薄暗い中に少年の顔を見たとき、目にまったくちからのないのに気づきました。手袋をはずしてそっと手のひらを額に当ててみると、ひどい熱でした。


 少年をこのままにしておくわけにもいかず、サンタは少年を抱きかかえるようにしてソリに乗せ、プレゼントの入っていた袋の中に潜り込ませると、雪の中にふたたびソリを走らせました。


 家に着いたサンタは、少年を袋ごと抱きかかえて家の中に運び込み、早速暖かなベッドに少年を寝かせました。少年は余程気持がよかったのか、先ほどまでとは違って、穏やかな顔になって深く深く眠りました。


 しかし、時々熱にうなされたように、「お母さん」「お母さん」と呼ぶのです。そんな少年の姿を見たサンタは、何とか母親を探し出してやりたいと思いました。

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