第16話それが鉄子の鉄の意志

生子達が過去へ飛ばされた中、現実に残っている者がいる。それが鉄子だ



以前銀華に敗れてから自信を無くしている。




鉄子「あぁ……もうやだよこんな戦い



元々私は昔から何をやってもダメダメな人間



運動も勉強も残念だもの」




それを元気付けるようにヘファイストスが励ますが……




ヘファイストス「だ、大丈夫だよ!!きっと!!次はなんとか……!!」





鉄子「…………ならないよもう



こんな戦い今すぐやめたいよ……怖いんだ」






鉄子が与えられた代償、それは恐怖心の増加



勝っても負けても恐怖心が彼女を蝕むのだ。





ヘファイストス「生子……」




ヘファイストスも自分を攻めていた



「自分が鉄子と契約を結ばなければ鉄子はきっと幸せなままで過ごせていたから……」







そんなときだった。





?「だったらよぉ、死んでいいんじゃねーか!? そんなやつよおおおおお」





鉄子「だ、誰!?」





そこには包丁を持って歩いてくるグリードが!!






鉄子「ひっ!!」




足が震えて逃げられない



それでもおかまないなしにグリードが迫ってくる!!



グリード「こんなに楽しいサバイバルゲームを怖いだなんてもったいねえなあ






なあ!?」





包丁を振りかざすグリード






鉄子「ひゃあああああ!!!!!!」



身構える鉄子




その時、デッキが光る!!





グリード「なんだと!?」




デッキが……鉄子の盾となったのだ






鉄子「あっ…………」





グリード「ちっ」






後ろに下がるグリード





鉄子は怯えながらも震えた足を無理矢理たたせる!!






鉄子「…………そうだね


カードがこんなにも頑張ってくれたのに私がこんなんじゃだめだよね……この勝負、死んでもいい





貴方を止めて死ねるなら!!!!!!」





ヘファイストス「やろう!!鉄子!!」






グリード「へっ!!落ちこぼれがわざわざ自分から死にに来るとはなあ、いいぜえ!!そういうのよお!!」








鉄子「ゲートオープン界放!!」











戦いは長く続く




グリード「命砕けやあ!!!!闇界放だディノベンジ!!!!」





鉄子「きゃああああ!!!!!!」




さらにダイレクトアタック!!






鉄子「あああああああああ!!!!」




鉄子life×1



グリード「ターンエンド


死ね死ね死ね!!!!速く死んじまえよお!!!!!!



あっはっはッはッ!!!!!!!」






血みどろになり倒れる鉄子



そんな姿になりながらも立ち上がろうとする




そして尋ねる





鉄子「…………どうして?」




グリード「あん?」





鉄子「あなたは……どうして死に拘るの……?」




グリード「…………」







暫く沈黙だったグリードだが話す






俺は産まれた頃から憎悪に未知溢れた顔をしていた



それを怖がった母親は俺を井戸の中に捨てた!!




赤子の頃だったのに未だに覚えてるぜ……母の最後の台詞















「こんな気持ち悪い子……私の子供なんかじゃない!!!!!」








井戸の中



水に沈む自分



冷たい、寒い、怖い……



怯えと同時に増す憎悪





それを知り俺を助けたのがゼウスロロだ






ゼウスロロ「憎いか?母親が


人が!!




ならば殺せ!! 気にくわないものは




殺すのだ!!!!!」









殺す





その二文字だけが俺の憎悪にマッチして俺の支えになった









殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す







殺してやる!!!!!!!





気にくわない奴はみんな死ねばいいんだ!!!!!!!!!!!!





あいつも!!こいつもおおおお!!!!!








ゼウスロロの元で育てられ青年になった俺は



手始めに母親を殺した






快感だった…………今までに無い感情が芽生えてきた





そして殺人を続けた




ムカつくやつらはみんな殺せばいいってな!!








グリード「…………つーわけだ


だからてめーも








速く死ねや」







鉄子「………………可愛そうだね」




グリード「あん?」







鉄子「凄く……可愛そうだね」




全てを悟った鉄子は同情と哀れみ、二つの思いをした表情になっていた




グリード「…………んだと」








鉄子は語る






私はね、私の親はね…………




私が中途半端でも、運動も勉強も駄目だし怖がりでも…………それで落ち込んでるときでも




お母さんはこう言ってくれたよ










「あなたが産まれてきてくれた事そのものが、

お母さんは嬉しいのよ」





私が何をやっても中途半端でも、お母さんはいつもそう言ってくれた










鉄子「だから私は生きるの……」





turn鉄子




ヴァルカンゴレムとアゼツライトゴレムを召還





ヴァルカンゴレムにメテオフォージを合体





鉄子「頑張って生き抜く!!


ヴァルカンゴレムでアタック!!!!」







グリード「…………てめえええええ殺す!!!!!!!!!!!!」






アゼツライトゴレムの効果!!1点リザーブへ!!





グリード「!?なに!?」







鉄子「さらにヴァルカンゴレムの界放!!




4枚あなたのデッキをオープン!!




全部スピリット!!




4シンボルで止めだあああああ!!!!」







グリードlife×0








グリード「(バカな……俺がこんなダメダメやろうに……!!!!)」










鉄子「はあはあはあ…………やった」






喜んだ鉄子




そのとき、鈍い音がした










スブシュ







鉄子「!! かはっ…………」







グリードの投げたナイフが…………鉄子を貫いたのだ






そして敗北したグリードもまたゼウスロロの裁きで消滅する






グリード「まだだ……まだ……殺したり……ない」





グリードは消滅した






倒れる鉄子







鉄子「ごめんなさいお母さん…………私……私…………生きれなかった……よ」



さらに鉄子もゼウスロロの裁きを受けた





鉄子「今度は…………なんでもできる人に…………生まれ変われたら…………いいな





そして消滅した










その場には血に滲んだナイフ




家族との思い出が積もったペンダントだけが残った










続く













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