俺の入院日記 その4
このM病院は精神科の専門病院としては、割と知られた方らしい。
病棟は『男性病棟』『女性病棟』『アルコール専門病棟』『混合病棟』に分かれている。
どこに入院するかは、病気の種類、それぞれの病状について分かれているらしい。
しかし、開放病棟である『アルコール依存症専門病棟』以外は全て、
『閉鎖病棟』つまり、主治医の許可がある時と、病棟で行われるレクリエーションに参加する時以外は単独で外出することが許されていない。
俺が入院することになったのは、混合病棟、この病院では東側の4階にあるから『東4病棟』といわれる所だ。
ここは、その名の通り男女が混合で入院している。
当たり前だが、男女は別々の部屋に分けられていて、個室が一室、二人部屋が二室、後は六人部屋が四室だ。
病棟に入る前に、俺は荷物のチェックをさせされた。
最初に渡された注意書き目を通したところ、病棟内には持ち込んでいいものとダメなものがある。
特に男性の場合は安全剃刀はナースステーションに預けることになっていて、入浴のある日(夏冬共に週3回)のみ貸し出される。
電気カミソリは個人持ちは可だが、充電式のものはダメで、もっぱら乾電池式のものに限られている。(目的は自殺防止ということらしい)
その他にも紐のある服は全部取り上げられるし、勿論携帯電話はダメで、ラジオやCDプレーヤー、カセットなどは当然イヤホーンかヘッドホーンを装着しなければならない。
起床時間は午前7時半。朝食は午前8時。
特別な理由のある限り、自室、つまり病室で食事をすることは許されていない。
もっぱら『ホール』と呼ばれている談話室兼用の場所で摂る。
それが終わると月曜日から金曜日までは午前9時から午前10時半までは、
『リクリエーション』と呼ばれる日課が決められている。
但しこれらは自由参加で、参加したくなければ、病室のベッドで寝ていても一向に構わない。
喫煙は別にとやかくは言われない。ただ、病院であるから、
『喫煙室』以外ではNG、ホールの片隅に設けられている、六畳ほどの密閉された空間である。
5人も入れば一杯になってしまうほどの広さで、真ん中に大きな灰皿があって、換気扇が一日中音を立てて回っている。
紐や剃刀を取り上げられるくらいだから、当然ライターはダメ、ではどうやって火をつけるか?
その部屋の片隅に小型の電熱器が置いてあり、それで火を点けるというわけだ。
煙草そのものは個人管理になっているが、人によってはナースステーションに預けなければならない。
濯は病院に頼むこともできるが、当然これは有料であるから、殆どの患者は洗濯室兼脱衣場(風呂場に付属している)に3台ある洗濯機を共同で使うしかない。
だらだらと書いちまって申し訳ない。
何しろこうした病院ってのは、あまり入ったことがないもんで、ついつい珍しくってな。
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