第20話 上皇

 今上天皇は、退去されたら「上皇」になられるそうな。

 上皇…か…「太上天皇」か…。

 まさか自分が生きている時代に、上皇という存在にあいまみえようとは思わなかった。

 我々もやはり、歴史のなかを生きていることをつくづく感じる。


 あれから…日本でも海外でも様々なことがあった。


 あれから………あのころ………

 あのころは、平成のはじまる直前は…

 今のマスコミに言われるほど、世間はバブリーではなかった。

 あれは大都市のことで、地方は、さらに田舎は「好景気って何?」という風だった。


 平成三十一年三月、今も私の田舎は、あのころと全く変わらない風景が広がっている。


                上皇 終

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