第3話
「おい、いつまで休んでいるんだよ。早くどけろよ」
近くから怒号が聞こえてきた。女の魔物、(あれはサキュバス)が寝ているのにも関わらず、悪魔らしき魔物が起こそうとする。アイルはその声に気づき目を覚ます。さすがにあのくらいの声では起きないのはいないだろう。周りの魔物たちは迷惑そうにその声の主を見ていた。だが、怒られているサキュバスは起きる気配がない。もしかしたら、どうせ寝る場所がなかったからイラついているだけかと思ったのかもしれない。
「どけろっていってるだろ。このヤリマン、ビッチ」
そのサキュバスはそんな暴言を言われても起きない。
「すごいな。あんなこと言われても起きないなんて。サキュバス見直した」
どこかの魔物がそんな関心しているが、それほどの状態ではないと言うことはアイルでもわかっていた。悪魔といえばインキュバスやサキュバスよりも格上の存在。それにもし上級の悪魔だとしたら、ただではすまないだろう。何をされるかは知らないが。
「おい、いいのか。俺は結構上の悪魔だぜ。しかも、不正をした者の取り締まりだ。そんな俺にこの態度ではどうなるか下級のお前でもわかるよな?」
悪魔は怒りが収まらないのか奥の手を使った。大半の魔物が逆らえない究極な手を。
「うーん。よく寝た」
あのサキュバスがやっと目を覚ました。
「ったく。性欲ありすぎるのも困るつーの。こっちの身にもなれって」
サキュバスは自分の状況を理解しないまま、裏を出してきた。
「あれ?どうしてここにお偉いさんが私の前に立っているの。もしかして、襲いたくて起きるの待っていたの?」
サキュバスは、一人独走を始める。
「えー。せっかく休んでたのに。まーた体力奪うじゃん。男の性癖って、以上だから今動きたくないんだよね」
サキュバスはギャル系らしい。ギャルでヤリマン、ビッチ。どこの人間を真似たのだろう。
「そんなはずないだろ。早くどけろって。俺が休みたいんだよ」
悪魔はやっと目当てのサキュバスに言えたようだ。
「そういうことかよ。だりぃー」
サキュバスは、言いながらその場を離れた。
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