魅惑のフィンランドに野外サウナ

サウナ発祥の地は、北欧のフィンランドだそうだ。なんと6,000年前もの昔に産み出されたとの事。もはや神話だ。オーディンやロキも蒸されていたのかもしれない。


今でもフィンランドはサウナが盛んだ。盛んというか、あるのが当たり前の施設らしい。日本でいう湯舟のように、サウナを設置してあるお宅が多いそうだ。羨ましい限りだ。「フィンランドはサウナの聖地」と呼ばれるのも納得だ。


市街地には、サウナ専用施設もあるが、サウナが生活と密着しているため、専用ではない様々な施設の中にも、普通にサウナが設置されているそうだ。中にはサウナを設置してあるバーまで。蒸されてタオルいっちょの姿で、そのままバーカウンターでビールを飲み干しフレッシュジュースで水分補給、なんて事までできるらしい。シャングリラかよ。


そして、極寒の地ならではの体の冷やし方がある。そう、TVのバラエティ番組などで見かける「屋外に出てそのまま露天水風呂へダイブ」だ。おじさんはサウナにハマる前は単に笑ってあの手のシーンを見ていたが、今は違う。氷の張っている池をくり抜いた穴に落ちる芸人さん達を見て、「サウナ後に飛び込みたい」「羨ましい」「おじさんも落ちたい。そして冷えたい」と妬む気持ちすら産まれてくる。


なんでも、外気の気温がマイナス20℃以下であるため、まがりなりにも「水」な状態の方が温度が高いそうだ。凍っていないということは、0℃よりは上という事だ。そのため、外気浴をしているよりも水風呂の方が温度が高いという「体を水風呂に入れてむしろ温める」という良くわからない状態らしい。さすがサウナの聖地、とんでもない環境だ。


なお、サウナに入る前に、屋外の雪の中に缶ビールを埋めておき、サウナ-水風呂を経てそのビールを掘り出して飲むというムーブも可能だそうだ。羨ましい。これの凄いところは「缶ビールを外にそのまま置いておくと凍るので、雪の中に入れて凍結を防ぐ」という、雪を「冷やさないための道具」として活用してる点だ。北欧おそるべしである。


いつかおじさんもフィンランドに行ってみたい。そして、本場のスモークサウナや極寒外気浴に水風呂、ヴィヒタを体験してみたいものだ。


外気の環境はともかく、雪だけであれば、海外に行かずとも国内でも十分だろう。冬であれば、北海道までいかずとも、積雪を眺めながら露天風呂に浸かれる温浴施設も珍しくない。湯に浸かりながら雪見酒。想像するだに風流で、そして粋だ。温泉好きの方であれば、うっとりとする夢なのだろう。


しかし、サウナおじさん達はそんな妄想をはみ出してしまう。仮に、窓枠を大きく取り、降雪や積雪を見ながら蒸される事のできる「雪見サウナ室」があったとしよう。おじさんの願望はこうだ。「雪見サウナ後に見ていた雪にダイブして冷やす」。風流とはかけ離れた欲望丸出しの願望を夢見ているのだ。


屋外と言えば、最近では、その気になれば、テントとサウナストーブが一体化した「テントサウナ」を自分で用意する、というスタイルもある。キャンプ地に出かけ、キャンプ場にそのまま簡易のサウナ部屋を作ってしまうのだ。


温浴施設でのんびり温まるだけでなく、ワイルドに大自然を堪能しながらついでにサウナ。素敵じゃないですか。そんな楽しみ方ができるのも、サウナの魅力の一つなのだろう。

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