2年 勉強の夏と秋?

21話 築いた関係

運動会が終わって1週間たった今、期末くんが待っていた。もう少しお待ちを~


それと運動会が終わった今、いつも通りといいたいのだけれど僕は八雲という男と仲が良くなっていた。運動会で関りを持った人と少なからず少しだけ話す仲になっていた。


「はーい。1週間後には期末テストがあるからちゃんと勉強するように。それじゃ、今日はこれにて解散。日直」


「規律、礼。ありがとうございました」


部活があるやつは挨拶したらすぐに教室から出て行ってしまった。

明日は、秋乃が転校して来る日。運動会はほんとに視察の意味で来てたのだ。


僕も荷物をカバンに入れて、教室を出たら腕を引っ張られた。


「うわ!な、なに」


「よぉ!」


腕を引っ張ったのは赤城あかぎだった。


「ビビった〜。どうしたの?」


「いんや、見かけたから話しかけただけ」


へぇ…。そうなんですか。


柚和ゆわは今から帰り?」


「そうだよ。テスト勉強しなくちゃ」


「そっかー。テスト勉強か。テスト、テスト…あー!」

「うわ!な、何?」


突然大声を出さないで貰いたい。心臓に悪いし寿命が縮む。


「そういや、杏菜あんなが勉強できないって言ってて誰か教えてくれる人探してるん事忘れてたんだ。柚和ゆわ、勉強できるか?」


「勉強はできるよ、誰でも勉強はできるでしょ。だっつノートと問題開くだけで勉強だし、この会話も勉強になってるし」


「そうゆうことじゃない(笑)点数はいい方か?って聞いてたつもりだった」


「あー。そゆこと。まぁそれなりには」


「んじゃさ、杏菜あんなに教えてやってくれよ。俺は無理だし。あいつ、お前みたいなのが教えてくれれば覚えるの早そうだしよ」


「なにそれ…。まぁ、分かった。杏菜 あんなは2組だっけ?」


「そう。多分まだ教室いるぞ。隣だから行ってやれよ。んじや、俺は。じゃあな」


「ほーい。またね〜。気をつけて帰れよ」


赤城あかぎが帰るのを見送ってから僕は隣の教室に向かった。

舘野杏菜たてのあんな。2組で、部活は所属してなかった気がする。あまり接点というか話をしたことすらないけど、一応、赤城あかぎに言われたとおり声だけはかけてみることにした。


「あ、いた」


教室の窓から覗くと帰る準備をしてた杏菜あんながいた。彼女は夏服の制服姿で髪を下ろしている状態でなんかゴムを弄っていた。


「えっと、舘野 たてのさん。いま大丈夫?」


開けられてる窓ごしに、話しかける。


「え?別に大丈夫だけど。どうしたの?」


「えっと、その。赤城あかぎが僕に舘野 たてのさんに勉強教えてやってくれってお願いしてきたから一応話しかけるだけ話しかけてみようということで話しかけた」


柚和ゆわ君は、勉強得意なの?」


あれ?僕の名前知ってるんだ。ちょっと驚いた。


「得意そうに見える?まぁ、苦手ではないけど」


「うーん…見えないね。わたし、全教科ダメダメなんだよね。教えてくれるならねその全教科がいいかなぁって。あと、失礼になっちゃうんだけど柚和ゆわ君は教えられる程頭良いの?」


「さぁ…。頭の中身見たことないから。だけど基本的なスペックは持ってるつもりだから一度覚えたことは忘れないよ。ま、嫌なら大丈夫だよ。ごめん。それじゃ」


足を昇降口の方に向けようとしたら


「あ、待って!その、んじゃ教えて貰って、いい?頭良い、悪いじゃなくて柚和ゆわ君みたいな人とやる方が捗りそうだし。お願いします」


頭を下げて、下げていた髪も一緒に落ちた。小柄だからか、小さく見える。杏菜あんなは僕に教わることで何のメリットがあるんだろう…。数字上では僕より上は何人もいるはずなのに。でも、僕は基本的に去る者追わず来るもの拒まずなので断るつもりは無い。だから了承の言葉を告げた。


「あー、分かった。でも一つだけ条件がある」


「え?条件…?」


「僕と対等な関係でいること。同級生なんだから頭は下げない。敬語は使わない。分からないところ、思った言葉どんどん言う。そして、そっちが全体的な決定権を所持すること。まずはそこから。あ、期限とか文句とか悩みとかバンバン言ってくれて構わないから。ま、それだけ」


「それでいいの?」


首をコクッと、傾けて聞いてくる。肩甲骨あたりまで伸びていると思う髪が綺麗にさらさらと揺れる。窓越しに見て杏菜あんなは向こうの窓の方にいるから表情ははっきりとは見れないけど、困惑の仕草だとすぐにわかった。


「これでいいの」


「はぁ、良かった〜。わたしでも守れそう。よし!じゃあこれから宜しくお願いします。柚和君」


「はい。敬語〜♪デスマス付けたら今度から罰ゲームね。気をつけるよう!」


「はい!んじゃ、改めて宜しくね」


「ほい。こちらこそ宜しく。それと荷物取りに行かなくちゃだから一旦解散。また明日〜それとも一緒に帰る?」


「え?う、うん。わたしは髪結んでた途中だったから後からいくね。準備も終わってないから。少し待つことになるかもだから先帰ってて大丈夫だよ。バイバイ」


「ほーい」


返事が貰えたので、僕は一旦荷物を取りに教室に戻った。鞄の中を漁ってメモ帳とシャーペンを取り出して制服の胸ポケに入れて荷物を持って教室を出た。


昇降口に向かいながらシャーペンでメモ帳に書き込んでいく。


一旦また、胸ポケにメモ帳、シャーペンを仕舞い靴を履き替えたら駐輪場までまたメモ帳にシャーペンで書き込んでいく。自分の自転車まで来たらまた仕舞い荷台にカバンを縛る。


「よいしょっと。荷台に縛るのめんどくさいなぁ」


荷台にカバンを縛り付け、前籠にリュックをぶち込んで自転車のサドルに跨り杏菜あんなが来るまでメモ帳に書き込んでいく。


「ま、待ってればくるでしょう…」


そう言って、僕はメモ帳にドンドン書き込んでいって彼女が来るまで待った。






















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