4. 逃げ場がない!! 決死の火災報知器点検日。

この世で絶望的に大キライなものの一つが、火災報知器の点検日!!


説明するまでもないけれど、うちは散らかっているのがデフォルトです。

そこに突然、家族以外の人が入って来るのは、非常に困る。

いや、うちは関係者以外立ち入り禁止です。と言いたいけど、そういうわけにもいかない。


そもそも、これは突然ではない。

数週間前から告知されている。でも、グータラはお尻に火がつかないと動かないのです。


もう、ゆうべからモンモン、ゲンナリモードだった。(そのヒマにやっておけばいいものを)


そしてついに今日、当日になって、17時からだから15時に動き出そうとイヤイヤ決意する。

ところが、14:50に、ほかのやるべきことを「思いついて」しまった。(なぜ今なのか? という、どうでもいいこと)


そして、気づけば時計は15:45。

そこからフル回転の頭は、この難局をどうしたら一番ラクに、ダメージも少なく乗り切れるかを考え始めた。(体をフル回転させればいいものを)


・もうこのまま開き直って、この散らかった部屋の住人の面が割れないように「目出し帽」をかぶって応対する

・どこかから赤ちゃんを借りてきて、「この子がいるから部屋が片付かないんです」オーラを全開にして応対する

・スーツケースを開けっ放して散らかったものを放り込んで、「たった今旅行から帰って来たばかりなんです」「間に合ってよかった(笑)」とか呟く

・居留守


どれも、「このまま片付けない」ことを前提としたアイデアだった。。。


いっそ、間違って1時間早く来てくれないだろうか。

むしろそのくらい暴力的な方があきらめもついて、「早く来られてしまったので、片付いてないのもしょうがないですよね?」と言えるんじゃないか。


とにかく、何でもいいからこのストレスフルな状態を早く抜け出したい、という逃避モードに入ってきたようだ。

グータラが過ぎて、ダメダメ領域に限りなく接近している。


しかし、そこから死に物狂いで駆け回ったわけです。

ちょっとやっては壁にぶつかり、泣きそうになる。

火災報知器点検が恐ろしく非情で残虐なのは、ごまかしを許さないところなのだ。


通常の客人なら、リビングと洗面トイレ周りだけ片付ければOKなのです。

散らかったものを仕事部屋兼納戸に押し込んで、ピシャリとドアを閉め切る。台所の汚れ物をチャチャッと洗っては水切りカゴに放り込む。あとは上や床のホコリを掃除機やモップで取り除いて、アロマなど炊いて、必要ならちょっとトイレや洗面所を掃除する。

そして、ハリボテ的に緊急に体裁を整えた部屋で「我が家はいつもこんな(きれいな)感じよ?」と涼しい顔してお迎えする。


ところが、火災報知器点検の方々は御用改め、いや、報知器を改めに来るわけで、そこは容赦ない。閉め切った戸をも突き破り、あらゆる所へ分け入ってしまう。

だから、一時投げ込み部屋を作ることもできず、ならばクローゼットだ! とぶち込んでみたものの、「あ”っ! クローゼットの中にも報知器が。。。」と跳ね返され、退路を断たれた絶体絶命の瀬戸際に追い込まれる。逃げ場はどこにもないのだ。


普段からある程度片付けておく意味がよくわかるのは、まさにこういう時(だけ)だ。


掃除機を片手に背伸びしたりしゃがみ込んだり、あまりに縦横無尽に伸び縮みしたせいで、足はつりそうになるし、汗はビッチョリだし…もう自分の身だしなみまでは手も回るまい。せめてマスクをして応対しようと、半泣きで私はラストスパートをかけた。


どうにか、目出し帽だけは免れた。


グータラが撃沈される日。それは火災報知器点検の日。


★今日のグータラ指数40/ダメダメ指数60


※終わってから気づいたのだけど、最後の逃げ場があった。

それは、トイレとお風呂場! 次回はこれを活用しよう。

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