第5話 娘に感謝

4歳になる前にわたしたちの娘になってくれたMちゃん。

わたしにとって一番信頼できた亡き従姉の忘れ形見の彼女。

ダレが引き取るのか親戚中が集まっていた時、彼女はわたしと主人の間から離れなかった。


新婚間も無いわたしたち夫婦に、『絶対に無理だ』とみんなが言ったけれど、彼女の顔を見てると、『この子は、わたしたちの娘になりれす』と主人が言ってくれた時はホッとしたし、本当にうれしかった。


子育てなんて未経験のわたしたち、はじめのうちはよく駄々を捏ねたMちゃんに悩みましたが、いつの間にか欠かせない存在になった。


その秋に待望の息子が生まれた。 本当の姉として接してくれたし、誰よよりも可愛がってくれた。


いま、彼女は小学校の高学年、息子はこの春に入学する。

これからいろんなことで、弟を見てくれると信じるわたし・・・。


昨夜、こっそりとわたしたちの寝室に入ってきた彼女、わたしが起きてるのに気付き、わたしの布団に潜りこんで「ママ、ありがと~」って...。


その時は、ナニがなんだかわからなかったけれど...、

それから考えると、わたしの方こそ、こんなカラダになってしまって、家事とかいろんなことをさせてるのに「ママ、ありがと~」なんて、

わたしの方こそ「Mちゃん、ありがと~ これからもママをたすけてねっ」と言わないと。


そして、こんなにイイ子に育ってくれて、遠いお空の上で見守ってくれてる彼女の本当のママにも、感謝だよねっ。


特別養子縁組でわたしたちのホントの娘になったMちゃん。

従姉妹の娘・姪っ子が娘になってくれた瞬間から、彼女にとって新しい人生が始まりました。


Mちゃんの毎朝の習慣に、産んでくれたホントのお母さんがいる仏壇にお水とお茶にお花を供えこと、また月命日にはお墓にお参りに・・・、ダレも教えてはいませんが、これもイイ子に育った証拠かなっ。


これから・・・、Mちゃんを連れてみんなで...月命日のお墓参りに。

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