第12話 手紙

" 拝啓 

 さっきはごめんなさい。酷い言い方したりして。ホントは全く逆のこと言いたかったのに、素直になれなかった。いつもそうだ。レオに会う度、素直になれなくて病気のことも言えなくて、心配かけてばっかり。

 私ね?レオに出会ってからずっと恋してたんだ。優しい人が好きだけど、ただ優しいだけじゃなくて、そこに強さ弱さ想いがあるような、そんなレオに恋してた。

 検査の結果が悪いってわかった時、レオへの想い伝えておわりたかったのに、あんな感じになっちゃって、ホントごめん。

 最期に、これだけは言いたくて今この手紙書いてます。

 レオ、ずっとずっと好きでした!

もっと早く告っとけばよかった。そしたら今こんな寂しくないのに。どんなに想っても会えないのはわかってる。だからこそ何回も言いたくてしょうがない。

 レオ、好きよ。大好き。レオの言葉すごい嬉しかった。今までずっとそばに居てくれて、ホントありがとう。こんな環境で生きていられて私って幸せ者だって、レオに会って気づかされた。ありがとう。

 また会える日を楽しみにしてるね。

   お休みなさい       敬具 "




手紙を読み終わった後、凜が寝ているベッドに近づき......


「凜、またな....おやすみ」

そう言って凜の顔に軽くキスをした。




病院から出る時、気のせいかも知れんけど、

∽おやすみ....またね∽

って凜の声が聞こえて、また涙が溢れた。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

優しい人よりヤクザが好き 穂狸 @yank-zuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ