夕暮れ片想い

彩 ともや

夕暮れ片想い

夕暮れ時

伸びる影が後をつけてく

隣の君の髪

その匂い

触れるか触れないかの手

二人の間の関係を

象徴するかの様に揺れて

もどかしくて

けれど握ることが出来ない


歩道橋の上から見えた風景

空を焼いて沈んでいく灯が

何だか寂しくて

間違いでも何でもいいから

君の手と

一瞬だけでも触れてしまえたら良いのに

そんなこと起こるはずもなく

ただ夕焼けを眺め続ける


黄昏 片割れ 空簿照り

何も起きないこの時間

もどかしいのに恋しくて

好きだと思っては

想うだけで

目が会えば笑うだけ

起こってくれないハプニングに嫉妬して

君に見えないところで

秘かに唇を噛んだ


いつか

いつか手を繋げることが当たり前になる

その時を思って

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夕暮れ片想い 彩 ともや @cocomonaca

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