第一章 9話

「ふ... ざけるんじゃねぇよ!!!」


ここで、ただの傍観者が、国王に向かって暴言を吐くなんてことを誰が想定するだろうか?


恐らく、いや、いない。

戦闘狂ウォーモンガーの彼女や、冷静さを保つ彼女でも、口を開け、間抜けな顔をしている。


私は息を整え国王に対して敬意を...払うわけなく


「貴方の国の国民でしょ!?見捨てるの?

その行為のせいで、また騒動が起きるかも知れないのに!?」


「だから、排除するのだ。異議はないであろう」

胸に突き刺さるような冷却の目は、私の心を削るようで、恐ろしく感じた。

しかし、私は必死にあがく。

「自我を忘れたものであっても、間違いをただし、導くのが国王の役目だろ!



貴方は何に誓っているんだよ!」 


「く... くはははははははあっっ!!!!」

途端、悪魔のような笑い声が響いた。

室内すべての人が、声を抑え、絶句した。



「俺は、に誓うさ。」


自分の国...?

「俺の、俺のための、俺だけのための国を作るんだよ! 

″神は俺が幸せになることを望んでいる″のだ!」


... 呆れた。だから、容赦しない。

後で帝国の恥になっても仕方ない。


「いい加減にしろっ!!!!」


少女の大きく振りかぶられた右手が、その頬を強く打った、







「国王の為の国じゃない。



...国の為の、国王だろ。」








それからの、記憶は曖昧である。


話が国中に広まれば、クーデターが発生し、すぐに国王は変更となっていた。


文化、伝統は変わらなかったが、国民の意見を取り入れる制度が作られるようになったのだ。


国王の変更には国民のすべてが賛同したようだ。

今までの制度は、それほどまで厳しく、自分勝手なものだったのであろう。



私は、半年ほどのスペア国立入禁止令を下されたが、かわいいもので。



そして、私は今、帝国のお偉いお方から呼び出しをくらっているのである。




″総統室″の前で、私は、小さく深呼吸をした

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