第2話 怪談Ⅱ

 あと15分ぐらい森から出るはずだけど、その前に一番危ないところが乗り越えないといけない。道は車がギリギリ乗り越えるまで狭くなってきた。木の枝が車を囲んで自然なタンネルになった。

「2人は女性を後にした5分しか経たない間に、女性のことがもう忘れたようにまたケンカを始めた。彼と彼女はどうするか前と全く同じ意見だ。彼は進む。彼女は連絡話が暖かくなったところ、また女性の姿が道の脇に見えた。前と同じく女性の隣に止めて、窓を開けて「ごめんください」と声をかけた。けど、今回は彼の質問は違った。「どうして、またここにつきました?」と聞いて、「また?どういう意味ですか?」と、女性が返事した。「先、先と出会って真っすぐ行ったはずなのにどうしてまたここにいますか?」と彼が説明したけど、「ごめんなさい。何の話かわかりません。この前に2人と会ったことがない」と、女性が答えた」

「へー、それは以外だね」

「だろう!」

 暗さの中に佐美子の青い目がキラキラした。彼女が自分の話に楽しんでいた。

「もちろん、2人とももこのことを聞くとビックリした。でも、反論しないで改めて道を教えてくれるかと尋ねた。女性は前と全く同じく「そっちの方です」と、前の方へ指差した」

「無限ループか」

 僕が佐美子を見ないで聞いた。

「そうだ。そして前と同じ5分の運転の後、女性の言うこと忘れたようにまたケンカしてまた女性の姿が道の脇に現れた。これは何度も繰り返した。毎回、女性が2人のことを覚えてないらしく道を教えた。何十回の後に彼が飽きたように女性の姿を見て、車をUターンして逆の方向へ向かった」

「前の方が無限ループなら後ろの方がどうかな」

 僕もこれが納得できた。

「今回は5分を経って、ケンカにならなかった」

「よかったね」

「でも、そのところに女性の姿が見えた。今回は2人ともに向かっている。彼はまた女性の隣に止めて窓を開けた。「どうかしましたか?」と、女性がすぐ聞いた。「僕たち覚えている?」と、彼が尋ねた。「もちろんです。たった5分前ぐらい道を教えました」と女性が答えた。この情報で2人は少し安心した」

「無限ループから脱出したよね」

 僕もあの状況にいれば、同じ気持ちになる気がした。

「2人は女性にお礼を軽く言って、進むように出発した。5分の後にもう女性のことを忘れたように無限ループから脱出できたと喜んだ。その一瞬に女性の姿がまた現れた。前と同じく女性の隣に止めて窓を開けた。「どうかしましたか?」と、女性がすぐ聞いた。「これは出会った時、何回目?」と、彼が尋ねた。「もちろん2回目です。たった10分前ぐらい道を教えました」と女性が答えた。2人は軽くお礼を言った窓を閉めた。けれど、彼が車を運転しない。ただそこに座ったままだ。無限ループから逃げるようにどうすればいいか全然分からない」

「なんかきついね」

 車の周りは霧のせいで真っ黒だ。前も電気が霧を明るくなって真っ白に見えた。閉所恐怖症という言葉を思い付いた。きっとそんな不安症があったらこの道が通らないと思った。

「やっと2人が決めた。この女性が違う時間を言ったからもうしかしてこの方向に進めば、元に戻れるかと思った。それから女性を見ても止めずに進んでいた。何十人の女性を通した後にようやく女性の姿を見たから6分が経った」

「じゃ、戻っている」

「その通り」

 明るく返事したけど、彼女の真っ白服装と肌がこの真っ黒の森の中に冷たさそうだ。もう夏だけど、彼女を触ったら氷だと勘違いする気がした。

「そのように前の道の方に続いていた。何時間が掛かったけど、残りの20キロぐらいで重い霊気で女性のこと、無限ループのこと、全部を忘れたように怖い話を交換しようと決まった」

「あら、僕たちと同じじゃないか」

 彼女は僕の質問にまた返事として邪悪な笑いを返した。

「彼女が初めて、この道についての怪談を彼に教えながら道の残りの何キロを進んだ」

 あと5分ぐらいこの森からでるはずだ。

「最後の3キロぐらいで彼が気づいた。彼女の怪談は2人の話だった」

「おい、おい、冗談じゃないよ、それ」

 佐美子が僕を無視した。

「そして、ようやく森から出た。霧もなくなった。2人は安心で深くため息をついた。でも、車の前に道の真ん中に女性の姿が現れた。邪魔に佇んでいた。2人は互いに見合った。どうするかわからない。沈黙の何秒の後、2人はゆっくりと車から降りて注意深く女性に近づいた。「大丈夫か」と、彼が声をかけた。返事は来ない。「ねぇ、道の真ん中にどうしたの?」と、彼女は聞いてみた。返事は来ない。女性が静かに佇んだままだ。2人はゆっくりとゆっくりと女性に近づいた。ようやく彼が手を出せば女性の肩が掴める距離に入った。「ねぇ」と彼がもう一回声をかけてみた。手が震えながら女性に差し伸ばした。女性が動かなかった――」

 彼女が話の途中に止めた。

「佐美子?」

 僕は彼女に振り向いた。狼のように暗さの中に彼女の青い目しか見えない。

「警察がようやく現場に着いた時、見つかったのは道の真ん中にエンジンがつけっぱなしの車だ。中には2人の死体だ。ケガとか何もない。ただ血が出たようにグレー色の肌と魂を抜いた瞳がなくなった目だ。恐怖で死んだみたいだ。もちろん、警察が皆に交通事故だと公言した」

 ちょうどその一瞬に森から出た。綺麗な月と星がよく見えるようになった。

「あ~、さっぱりだね」

 彼女が手を伸ばしてあくびした。彼女が怪談を結構楽しんだらしいだ。僕もこんな怪談が好きなはずだけど、本当に森から出たの気持ちはない。今の月の下でも心はまだあの狭い真っ黒の森の中にいると感じた。

「月が綺麗なぁ」

 僕はぼんやりとそう言った。この気持ちがいつまで残るだろうか。心の中のどこかの隅に永遠だと答えた。

 佐美子が僕に笑った。

「そうだねぇ」

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