第2話 プロローグ 暗闇の中で光る希望

プロローグ 暗闇の中で光る希望

The hope shining in the darkness


「ヤバいことになっちまったな……」

 暗闇に染まる地下シェルターで、俺は腕を組みながらそう呟いた。

 発電所が破壊されたため、この都市が光を失っている。予備電源のおかげで、かろうじて周りが見えるようになるが、それが切れるのも時間の問題だ。

 壁にあるパネルが、無情にもカウントダウンを進めている。残された時間は、あと50時間しかない。


「くそっ、一体どうすればいいんだ!」

 策が思い付かない軍服の女性が、怒りに任せて机を強く叩くが、ただの無駄口にすぎなかった。

「もしこんな時に、魔法が使える人がいたらなぁ……」

 力尽きた菜摘は、適当にそう呟いた。その言葉に、俺は思わず目を丸くする。


「そうか、もしかしたらあいつらに頼る時が来たのかもしれない……!」

「えっ、それってエンタジア大陸のみんなのこと?」

「ああ、その通りだ。ここまで来たらそうするしかないだろう」

 座っている俺は椅子から立ち上がり、軍服の女性に声をかける。

「なあ、プロテクトカプセルはまだ使えるか?」

「使えるかと言えば使えるが……一体何をするつもりだ?」

 軍服の女性は困惑の目で俺を見つめる。どうやら彼女はまだ、俺の作戦を知らないだろう。まあ、無理もないか。


「聞いて驚くなよ。ここから先は、すげえどんでん返しを巻き起こす時間だ!」

 俺は得意げにそう言うと、かつて一緒に戦っていた仲間たちのことを思い返す……

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