第23話 政治嫌いな若者たちへ

 昨今、政治離れが進むことを嘆く風潮がある。特に若者の政治離れは深刻だと嘆く人も多い。


 しかし、それは間違いなのです。そして、政治を嫌うことが民主主義への第一歩であり、新しい世界を作る礎になることを書いておこうと思います。


 その為には、政治とは何か?が大事であり、そのことから説明しましょう。


 政治は汚いモノ。これが大抵の人の印象ではないでしょうか?それは実に素直な受け取り方であり正解と言える訳で、では何故汚いのかが大事なのです。


 端的に言えば、政治とは国家が持つお金を奪い合う戦い。


 そんなこと言われなくても分かってる!ですよね^^;


 では、それはどういうことなのか?ということについて考える人は少ないのではないでしょうか?それが意味するのは、この世界が資本主義であるということ。


 そんなの当たり前じゃないか!!と言われそうですが、要はお金が全てであり、お金が一番大事ということなんです。お金を奪いあう争いは、この世で持っても醜い者と言えるでしょう。


 そういうモノが嫌いなのが我々人間ではないかと思います。そういう優しい人間を醜い鬼に変えるのがお金であり、資本主義という考えなのです。そうやって、政治という術でお金を奪いあっていて世の中が良くなると思いますか?


 ならないですよね・・・それは今の社会を見れば誰にだって分かる事。


 そして、そういう現実を見せられて人々は諦めているのではないでしょうか?


 実に見事な作戦と言えるでしょう。そうやって、諦めることで国家という組織は維持されていき、人々は死んでいくのです。


 政治が嫌いと言う気持ちは、そういうのは嫌だという気持ちに他ならないのです。むしろ、政治の嫌いな若者は期待できる存在と言えるでしょう。


 資本主義の中で、見せかけの民主主義を演じさせ、人々を抑え込む。これが独裁だとクーデターが起こりますよね^^;それでも、人々は民主主義という絵に描いた餅によって我慢を強いられ耐えていくしかないのです。


 そこで、政治の嫌いな若者たちに是非、今一度民主主義というモノについて考えて欲しいと思うのです。民主主義というのは国民に主権がある社会ということ。本当は国民という言葉は使いたくないので、人々ということにします。


 では、主権とは何なのでしょうか?


 これは誠に偉大な権利であって、全てを自分で決められる権利なのです。従って、本当の民主主義に多数決などというモノもなく話し合うということもない。だって、そんなことすれば、全てを自分で決められないじゃないの^^;


 要は、究極のわがまま、あるがまま権利というモノなのです。だって、主なのだから。この世界の主は、この世界を好き勝手に生きる力を持っているのです。


 しかし、現実問題として、みんながそれをやったら国家という組織は存続できない。だって、国家は人々に我慢を強いて成り立つ組織だから。つまり、民主主義になると国家は消える運命にあるのです。


 そして、国家を人々の主としている現在の国家主義を根底から支えているのが資本主義という事になる。資本主義というお金を神とする一つの信仰によって、我々人間は国家という意組織に縛られて生きているのです。


 そして、これが我々を死へと追いやる元凶となっている現実を受け入れられない現実がそこにあるのです。それは、資本主義が最初は、人々に豊かさをもたらす仕組みとして誕生したからなのでしょう。


 実は、資本主義の目的は達成されているのです。我々は充分に豊かな環境を得ることが出来たのだから。本当は20世紀で資本主義を止めるべきだったのです。でも、もっと豊かにという思いが資本主義を捨てさせなかったのでしょう。


 役目を終えたモノを使い続けると害になる。健康になろうと思って運動して健康になっても運動し続けると命を落とす・・・みたいな^^;


 話が逸れてしまいました。


 要は我々の主権を発揮するのに、今や国家が邪魔なのです。民主主義と言いながら、その民主主義を邪魔しているのが国家という事になる。そして、それを支える政治という芝居。


 我々がこれからやるべきこと、この頑強な国家体制を壊すという事なのです。


 もちろん、それを暴力でやってはいけないし意味がない。争いは資本主義の活力であり、我々が争えば争うほど資本主義は息を吹き返すのです。


 資本主義の敵は平和なのです。人々が争いを止める事。つまりは、互いが助け合う社会を作ることで、資本主義を弱体化させ国家体制を崩壊させることが出来るという事なのです。


 如何なる状況に於いても、デモ行進したり反抗したりしてはいけない。それを国家は待っているのです。そうやって国民が怒りを覚え戦闘的になることで、むしろ国家は力を得ることになる。


 だから、苦しい環境を伝え、互いに助け合う道を模索することが大事なのです。間違っても、自分だけが助かろうとしてはいけない。何故なら、資本主義という船は静かに沈んでおり、沈没は避けられないから。


 そうやって、みんなが自分さえ良ければと資本主義の船に乗ったら、全滅は免れないのです。どんなに苦しくても資本主義に近づいてはいけない。つまりそれは、お金についていってはいけないということ。


 政治が嫌いという事はそういう事なのです。お金が嫌い。この思いが全てを変えていくのです。お金で人を動かす時代はもう直ぐ終わるでしょう。だって、お金で得るものは無く失うモノばかりだから。


 それが資本主義がもたらす結論だと思います。互いが互いを助け合うネットワークを作って行きましょう。そうすれば、お金は要らなくなる。そして、お金によって奪われていた自由が取り戻せる。


 その先にあるのが、本当の意味での民主主義なのです。人間の特徴は何といっても類稀な優しさであると私は思います。それを残酷な鬼に変える資本主義という名の脳に入り込むウイルス。そう、人間にとって最も危険なのは、体に入るウイルスではなく思考に入り込むウイルスなのです。


 そのウイルスによって我を忘れることで全ては壊れてしまうのです。

 そのウイルスを排除して元の人間に戻りましょう。ウイルスが見せる桃源郷にだまされていけません。

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