29. 日本のゴーストはこわい。

ハロー!B・Dです。

日本の肝試しはおもしろいね。


アメリカでも、ゴーストが出ると言われる建物に入ってみたりすることはあるけど、日本のように「夏になったらこわい話をする」とか「夏祭りでお化け屋敷がくる」という習慣はない。

アメリカで近い感覚なのは、ハロウィンが一番かもしれない。

でも、日本のお化け屋敷の方がメチャメチャこわい。


数年前、ボクはオクさんといっしょにオクさんの学校の学園祭に行った。

歩いていると、オクさんは全員から「先生、こっちに来て」と声をかけられるから大変だ。お腹もいっぱいになるし、見るものもたくさんある。


その中に、お化け屋敷があった。

OK。ボクは平気だ。オクさんも最初はOKと言って、気軽に入ることにした。

入ったとたんに、彼女は前に進めないくらい怖がった。本格的な飾り付けで、暗い。不気味な音も聞こえる。少しの刺激で彼女はキャーキャー叫んで、ボクはおかしくてたまらなかった。

生徒さんたちがどんなふうに怖がらせようとしてるのか、日本のゴーストやオバケはどんな感じか、興味津々で楽しんでいた。


そして、最後に仏壇が置いてあって、一人の女子高校生の笑顔の写真が飾られていた。

「目をつぶって「ナムアミダブツ」と3回言ってください」と書いてあったから、そのとおり目をつぶって3回言った。


目を開けたボクは、大声で叫んだよ。

写真の高校生の本物の顔が、目の前にあったんだ。血だらけですごくおそろしい顔だった。

オクさんはこわくて、泣いていた(笑)。


外に出てから、大笑いだった。ボクがあんなに大声で叫ぶなんて、自分でも笑えるし、オクさんはこわくて立てないほどフラフラだったから。


この時は夏ではなかったけど、暑い時にこわい話をして涼しくなろうとするなんて、クレージーでおもしろい。その発想はなかった。

夏は暗くなるのが遅くて、夜でも気温が高めだから、夜に外で遊ぶことが多い。だから、キャンプでたき火を囲んでしゃべっている時にこわい話をすることはある。長い夏休みに友だちの家に泊まって、寝ないでしゃべっている時も同じ。

だけどそれは、おもしろい話のうちの一つで、涼しくなるためじゃなかったと思う。


生徒さんが言っていたけど、日本ではお盆にご先祖様が帰ってくるから、夏はゴーストのことを考えやすい時期でもあるかもしれない。


とにかく、日本のゴーストは本当にこわい。いまは、そのことが映画でも知られている。

でも、ボクから見ると、日本の人はイギリス人みたいにゴーストが好きってことはないみたいだね(笑)。

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