庭先で 雉鳥鳴きて 羽音立て ここが我が家と 示して廻る

 生まれ出る子と 番守りて


 我が家は山勝ちな田舎(といっても関東平野)にあり、野生動物がよくやって来る。

 近年は近隣地区の野犬駆除成功の影響からか、数多い鳥類の姿も度々見られるようになった。


 そんな我が家の周辺で、ケェエーン、ケェェーンと鳴く声と、それに続く羽音が頻繁に聞こえてくる。

 二階から庭先を覗いてみると、一羽の立派な雄雉が庭の大岩の周囲を威嚇しながら見回っていた。

 一向に出て行く気配は見られない。

 どうも我が家の庭を縄張りと定めたらしい。

 少し前までは近所の猫どもが集まっていた場所であるが、そこを雄雉が乗っ取ったのだ。


 親やご近所さんに話してみると、みんなも気になっていたようだ。


 近場で番の雌が巣を造り、卵でも産み落としたのではないか?


 顔を会わせるたびに、そんな話をする。

 

 とはいえ、私はこの雄雉を追い出す気はまったくなく、国鳥が庭に居てもいいじゃないという態度である。


 そんな雄雉のこと微笑ましく思いながら、一首詠んだ次第だ。 

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時事ネタで短歌、和歌など詠んでみる。 @byakuennga

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