地下室の雨は床に降る

 二人はもう離れられない。 そう書くとロマンチックに思えるが、私ならそういう合体は少なくとも事前になにがしか考え込まざるを得ない。
 鍵もパスワードも通用しない彼女には いっそおんぶなり抱っこなりして四六時中一挙手一投足を公表し続けた方がマシかもしれない。もっとも、そうなったらなったで、彼女は存在しないはずの主人公をまた地下室に閉じ込めるかもしれない。