2つの本音に溶ける愛

 独特の人生哲学を持つ女性と、真っ直ぐでがむしゃらな男性が互いの凸凹を埋めていく物語。
 本作の題材である『2番目』は、女性にとって満足の対象であると共にある種の保険として描かれている。しかし注目すべきは、自分から進んで納得する結果を得たのではない点だ。そこにはどこかしら他人の意見が大きな影響力を持っている。成熟した大人のようでいてひどく脆い危うさを感じる。
 そんな不安を突き破る男性の蛮勇(としかいいようがない)は清々しくすらある。まさに『いきはよいよい……』であろう。最後の場面からカメラが引いていくのがありありと想像できるだけに、2人が精神的にも肉体的にも混じり合っていくのが確信される。