第29話 広大なミア王女領地

 昨夜は、大変でした、お母様がテントじゃ無く私と一緒に寝るって、荷車にやって来て、結局一緒に寝る事になりました。

 折角、お母様用に、テント1つ準備したのに、無駄になっちゃった。

 チャラやオメガ達に、使って貰ったから、全くの無駄じゃ無いけど。

 チャラが獣人達と、ずいぶん仲好くなってるみたい。

「藁のクッションが気持ち良い!!」

 初めての事で、何をしても楽しいみたい。

 子供達は安全の為、車内で寝させました。

 ちょっと狭いけど、今までの檻より、広くて寝心地良いよね?


 朝食は60人以上の大人数、簡単なスイトン汁です。

 でも、火を止めてから、だしの素サッと入れてる、このミネルバでは、味わった事が無い美味さです。

 蛇足ですが、化学調味料のだしの素、煮込むと風味も味も殆んど飛んで、塩味しか残りません、使う時は、薄目の味にし上げ、火を止めてから、二人前なら袋の半分位を入れると良いです。


 皆が、特にお母様が目を見開いて、美味さに驚いていました。


 今は砦が見えて来て、「凄い!あれが盗賊団のアジトだった所!!」

 と、はしゃいで居ます。


 到着しました。

 言い付け通り、2人の見張りが居ます。

 私を確認して、安堵の表情です。

 小型荷車1台で旅立ったはずが、大型車4台引き連れ帰ったら、理解不能驚くよね!!

 ひょっとしたら、襲撃者と思われたかも。


 襲撃と思ったみたい、全員戦闘体制です。

「うん!油断してるより良い!!」

 無事の帰還に、喜ぶ皆に迎えられました。

「皆御免!!連絡もしないで、重要な取り決めして来ちゃった」

「全員大会議室に、直ちに集合して下さい、重大な報告が有ります!!」


「子供達は、砦から出ない様に、自由にしていて!!」

 ゾロゾロ車内から出て来る子供達を、皆が何が起こってるかと、眺めてる。




「と、言う事で私はスクルド王女になりました」

「この先にある湖の畔に私の居城が建設されて居ます、完成と同時にこの砦は孤児院として独立します」

「孤児院の職員は、ここに居ませんが、元守衛隊長のゼンが、私の名の基召集して居ります」

「私の領地ですが、此処から南の全て、この近辺の5村、スクルド神殿に、この砦の孤児院、傭兵の街に始まりの町、最南端の漁村が主だった所です、他に小さな集落が無数に有るそうですが、今は未調査で、その内巡回調査に向かいます」

「これからは、皆さんに、私の仲間として、領地の発展の協力をお願いします」


「香辛料、調味料採集しに行かれたはずが、凄い事になったんですね」

「オリビアさんも、一層の協力をお願いします」

「元々ミアは姫様ですが、スクルド王女になられたなら、私達は、侍女やメイドにして頂けるのかしら?」

「高LVの皆には、出来れば私の近衛兵に、なって貰いたいの」

 長身のノエルが言います。

「あっ、そうでしたミアは、それらしくない行動言動ですが、ミネルバ王女でした、スクルド王女になられたからって、ミアはミアだよね」

「ノエル有り難うね、私は変わりようが無いミアだよ」


「紹介が遅れましたが、お母様こちらに」

「この方は、エリザベス-スクルド王妃、私のお母様です」

「うゎ!王妃様だ!!!」

 オリビア達7人は、一斉に平伏していました。

 獣人達は、礼の仕方が違うのか、直立し右腕を胸に当てて居ます。


「皆さん、ミアちゃんの母親です、そう言うのは止めて、ミアちゃんと同じ様に接して欲しいわ」

「皆、立って!公の場では、礼を尽くして欲しいけど、この場は皆仲間だからね」



「それでは、55人の子供達を、1部屋10人に、割り振って下さい」

「男の子が20人、女の子が35人居ます」

「カイとトーマスを男子の各部屋に振り分けて」

「女子は、リナとローラそれからリンを各部屋に振り分けて」

「残りの女子5人は10歳と11歳の子を選んでね」

「ここの生活に慣れてくれたら、20ある小部屋に2段ベッドを2つ入れ、4人1部屋で生活して貰う様になります」


「構想はここまでですが、近い内に倍以上の子供が、やって来ると思われます」

「生活指導や教育は、プロが近日中に配属されるはず」

「皆の仕事は、10歳以上の希望者に、戦い方を指導して貰きたい」


「戦わせるの?子供達に!!」

「10歳以上限定、強制じゃ無く希望者にね、子供って言っても、私と殆んど変わらない年齢よ」

「あっ、そうだった!!ミアって子供らしさ皆無だから忘れてた!!」

(うん、中の人18歳だからね)


 魔物との、戦闘訓練の希望者を確認すると、全員が戦闘訓練を受けたいと言い出しました。


 試しに、アダンの実を想定した、小石を投げさせた所、7歳の子ですら、私が最初にワームに投げたより上手に投げてます。


「う~~ん、どうしよう」

「取り合えず10、11、12歳の年長組は、5人に一人の指導者で」

「7、8、9歳の年少組は、5人に二人の指導者で様子を見ます」

「皆!!指導者の言う事は絶対守る事、最初はアダンの実を連投するように」

「指導者は危険を感じたら、即中止する事」

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