第18話 チャラ男が·····

 掃除洗濯は、こまめにしているので、直ぐに終わった。

「まだ9時か」

 少し汗をかいたので、お風呂に入って浴室から「お~~い、チャラ男、掃除済んだかぁ」と、叫んで見たが、流石に浴室内からでは、聞こえないようで、安心した。

 入浴中の、鼻唄なんか聞こえてたら、流石に恥ずかしいよ。


 砦にはお風呂が無い、汗とかで汚れても、身体を拭くだけ。

 そうだ!!洗濯用のたらい、行水出来る位大きいの有るかな?


 サッパリしたので、少し勉強する事にしました。

 飲み物と、ポリポリ菓子を用意して、集中!!!


「何々?某一流商社、入社試験か」


(1)バイアスロンを説明せよ。

 偉そうな文だね!

「バイバイ、明日はロンだぜ!!」

 負け麻雀の捨て台詞と言いたい所だが。

 正解は「マラソン射撃を含む、非常に過酷なスポーツ競技名」だよ。


(2)肝を冷す、を説明せよ。

「説明して下さい」とか言えんのか!!良い大人が常識を知れ!!!

 こんな偉そうな文章平気で使う商社って、パワハラやセクハラ横行してそう、入社なんて、してやらん!!!


 問題解答か。

 本来は、「肝を潰す」が驚きの言葉として正しいが、昭和45年頃平井和正氏作、ウルフガイシリーズで、主人公、犬神 明が初めて「肝を冷す」と言った。

 当時は有識者、評論家が、こぞって「肝は潰すで冷す物では無い」と批判したが、ちょっとビックリした程度「肝を潰す」は大袈裟「肝を冷す」がピッタリ来ると、盛んに使われ出した、現在元の「肝を潰す」を知らない人も多い。

 と、次。


(3)天照大神、閑話休題を読め。

 又々偉そうに!

「てんてるだいじん」と「それはさておき」簡単だね。


(4)○肉○食、○に漢字を入れよ。

「ふん!!偉そうに!」

 焼肉定食じゃ無いのは解る、弱肉強食でも無い。

「そうか!羊肉犬食」羊頭狗肉、羊の看板出して犬肉売ってたってやつ、元祖インチキ商売ね。

(·····馬鹿じゃ無いけど、心愛ちゃんの非常に片寄った知識、招来が少し心配です)


「あれっ?11時過ぎてる、集中し過ぎだね」

 昼飯BLサンドで良いか?

 5枚切りパンを二枚に切り分ける、サンドイッチ用の10枚切りは高いから、こうすればサンドイッチ用パンの出来上がり。

 具はベーコンレタスで良いか?トマトは高価なので入れてやらん!!

 カラシとマヨネーズを塗り、食べごたえが無くなるから、パンの耳は切らない。

 BLサンドの出来上がり!!


 ·····又々余分に、チャラ男の分まで作ってしまった·····。


「おい、チャラ男!!サンドイッチ作り過ぎた、有り難く食え!!」

「ありあっす!!待ってました!」

「待つな!!!毎回貰えると思うな!!」

「昼飯食ったら、買い物行く?感謝を込めて、牛肉買わせて頂きまっす!!!」

「牛肉は有り難いが、この流し台、先に片付けろ!!使った事無いだろう、ゴミ箱に成ってるぞ!!」


 片付けるまでお預けは、ちょっと酷いか「食ったら片付けろ!!」「はい!!ミアさん」

「2時頃買い物に出かけるぞ!」「おぅ!其までには掃除終わらせるぞ」



「チャラ男は、金持ちだな!!」「親父が金儲け上手な人で、仕送りで不自由せん!!」

「そうか·····私に父親居ないから、仕送り当てに出来ん」

「そう·····なのか?」

「ちょっと待て、霜降り高級和牛は止めとけ!!此方の豪州肉なら3倍の量買える」

「え~~っ美味しいのに」「そんな超高級肉すき焼き位しか、料理知らん」

「それで良い」「こんなクソ暑い日に、すき焼きなんて、食いたく無い!」


「秋になって、涼しくなったら作ってやる」「ありあっす!!約束だぞ!」


 安いかも知れんが、1キログラムは買い過ぎだよ。

 ぶたバラも500グラム、後はビーフシチューのルーを一箱、パン粉に·····キャベツ高っ!!!

 千切りキャベツ袋詰め、これで良いや。

 今日もレジ袋買わせてしまった、3円のレジ袋結構便利なんだ。

 小分け用に、ポリ袋をガラガラ取ってと、大量に取るには、上に引っ張るのが秘結で、下に引くとブチブチ切れる。

「買い物早く済んだな、カフェでも寄ってく?」

「うん!遠慮無くチョコパフェおごってもらう」


 久し振りのチョコパフェは、身体に染み渡る美味さでした。


 が、不味い事に、同級の子が二人、奥の席から、こっちをチラチラ見てるじゃないか!!

 次の講義、五月蝿いだろうな。

 ニヤニヤ笑いが気になって、チョコパフェ味わうのが精一杯、チャラ男が何か言ってるの、適当な生返事返してる。

「何?嬉しそうな顔をして」「いや、ちょっと嬉しかった」「何が?」「何でも無い」

 チャラ男の、嬉しそうな顔が気になったが、まっ良いか!不機嫌よりは。


 この時、しっかり問い続けるべきでした。


 上機嫌なチャラ男と帰宅、牛肉の小分けとぶたバラの小分けを済ませ、料理に取り掛かります。

 ぶたバラをまな板に伸ばして並べ、包丁の背でトントン叩く。

 叩いたぶたバラに軽く塩コショウ、それを3枚重ねる、3枚重ねを4個作る。

 天ぷら鍋をレンジに乗せ、点火、鍋に水をいれ、もう一方のレンジに乗せ、こっちも点火。

 卵と小麦粉、水適量をかき混ぜる。

 ぶたバラを潜らせ、パン粉をまぶす。


 油の温度上がったかな、ちょっと1滴卵入り小麦粉を投入。

 沈んだのが浮いてきた、ぶたバラを入れる、小さな天ぷら鍋、2枚しか入らん。

 トンカツが浮かんできた、ひっくり返して、こんがり揚がった。

 取り出して、次の2枚を入れる。


 玉ねぎを櫛切り、煮たった鍋に入れる。

 トンカツをひっくり返し、揚がった頃に玉ねぎも煮えた。

 天ぷら鍋の方の火を止める。

 玉ねぎ煮てる方、ちょっと量が多い、オタマで煮汁を取り出す。

 ビーフシチューのルーを入れて、簡単デミソースの出来上がり。


 5時か、微妙な時間だよ。

「お~~いチャラ男、夕食出来たけど、食べるか?」

「待ってた!!直ぐに行く」

 玄関のドア前に居たように、ドンドンドアを叩いてる。

 ドアを開けて、文句言ってやる。

「早すぎる!!」

「いや、さっきの約束嬉しくて」

「へっ??約束?」

「今日は、ミアさんの部屋で、一緒に晩飯食べるって」

 生返事してた時か!!それでチャラ男上機嫌だったのか。


「まっ良いか約束だから、お肉買って貰ったお礼だぞ!!」

「上がって待ってて」「う~すっ」

「信じられん程、綺麗な部屋だな!!!」

 板の間からチャラ男が言ってる。

「立て掛けてるちゃぶ台用意して」「おぅ!」

 丼にご飯をよそおい、千切りキャベツを乗せる、更に一口サイズに切ったトンカツ、1枚分を乗せ、デミソースをかける。

 デミカツ丼の出来上がり。

 ワカメスープをカップによそい、トレイで持って行きます。

「わおっ!!美味そう」

「お代わりあるよ、じゃ、食べよ!」

「ありあっす!!頂きまっす」

「うっめえ!!」

 うん、美味しく出来てる、トンカツもお肉重ねたから、セコク無い!!


 チャラ男結局3杯も、食いやがった!!

「こんなに食うなら米も買え!!」「俺ん所に30キロ米がある、やるよ」

「いつの米じゃ!!!」「4月に送って来たから、3ヶ月かな?」

「飯炊かんのか!!」「今まで食べに出てた」

「バカァ飯炊け!握り飯でも振り掛けででも、飯があれば、レトルトカレーでも、何でも食えるだろ!!!」

「ん?炊飯器無いぞ」

「無ければ、土鍋で炊け!!·····土鍋なんて持って無いか」「うん」

「え~~いっ分かった、食費寄越せ!!作ってやる、ゼエゼエ、頭の線切れそう」

「よっし!!明るい食生活が保障された!!!」


 嬉しそうに、チャラ男が迫って来た。気にせずデミカツ丼、かっ食らってると、隙を突いてキスされた。


 キスは、デミソース味でした。

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