第3話 コンビニ強盗!!··········あれ?

 講義、受けましたよ·····頑張って!

 講師の渋い声が、良い子守唄··········

 寝てました、寝ぼけて持ってたボールペン握り潰して、バキッ!って音で目が覚めたの。

 講師に凄くにらまれちゃったけど、周りのクスクス声と出席単位ゲットだよ!


 14時から22時までのバイト、まだ余裕があるので、失敗しないように公園で缶コーヒー相手に、力加減の練習です。

 3個握り潰して、何とか普通に持てるようになりました。

 まっ、此くらいで許してやる!手強い缶コーヒーだった!


 あれ位の睡眠では、今一スッキリしません、テンション少し変かも·····


 バイトで失敗しそう、気を引き締めて、ガンバ!!

 バイト先のコンビニは、通ってる大学の近くで、私の住むアパートからも歩いて5分位の場所、客の入りが良く結構忙しいけど、まずまず満足してるバイトよ!


 でも、今日の22時からシフトに入る人が、結構チャランポランで、平気で遅れて来るの!

 19時頃からお客さん来なくて、暇だから良いけど、案の定22時15分になってもまだ来ない!


 オーナー店長も彼が遅刻常習犯と知ってて、僕がやるから今川さんもう上がって、「30分残業付けておくよ!」

 って、うれしいお言葉頂きました。


 そんな話してると、フルフェイスヘルメットの怪しいお客が入って来ました。

「いらっしゃいませ!」どんな相手でも、笑顔の挨拶です。

 不審者は、帰りそびれた私に向かい、一直線に近付いてきます。


 素早い動きで私の右手を掴み、グッと引き寄せられて、顔にナイフを突き付けられました。

 店長に向かって。

「おい!この女の顔ズタズタにするぞ!!」

「まっ待て!金なら出すからナイフを下ろして!!」

「売上全部出せ!」



 あれ?こんな状況ですが、私全然恐怖を感じない!

 だって、せこいナイフだよ、ギラリ迫力のロングソードに比べて、あまりにもチャチイ!

 それに、グラスドックの迫力脅威と、この兄ちゃん比べると、全く余裕だよ。


 私は、サッと男のナイフを持つ右手首を握って居ました。

「いてぇ!!」「こら!!はなぜぇっ!!!」

 男の手首から、ミシッと変な音が聞こえて来ます。

 ナイフがカシャンと床に落ちました。

 男はヤケッパチみたい、左手で私を殴って来ます。

 ハエが停まりそうなパンチが、何度か繰り出されます。


 難無くパシパシ受け流しながら、「店長!110番!!」(店長シャキッとしろよ!)

 呆けていた店長がギギギィと動き出し、何度かスマホ取り落としながら、110番通報出来たようです。

 パンチが、効かないのに業を煮やした男は、ヘルメットの頭突きを噛まして来ました。


 私は、男の頭、ヘルメットをハタキました。

 相撲の張り手みたいに決まったようです。

 男からふっと力が抜けました。

 私が男の手首掴んで居るため一本釣りみたい、倒れる事無く、男はグにゃっとしたまま吊り上げられて居ます。


 近くの派出所から、警官が駆け付けてきました·······

 小柄な女性が、大の大人を片手で吊り上げている異常な状態!

 状況が解らない、お巡りさんに見詰められちゃいました、てへっ。


 青くなって震えてる、店長の替わりにお巡りさんに事情聴取受けました。

 強盗に逢いながら、普通に対応する私を、不審者でも見るような感じですが。

「強盗犯逮捕ご協力有り難う」と苦笑い?されながら、現行犯逮捕された男を引きたてて、パトカーが帰って行きました。

(何も変な事言って無いよね?私)


 何か、凄く時間が経ったように感じましたが、まだ22時40分?

 今頃になって、バイト君が顔を覗かせて居ます。

 青い顔で震えてる店長は何も良いません。

(小言か、せめて注意位しろよ店長!!私だっら、首だ!!帰れ!!!位言ってやるのに)

 言い訳は、私と強盗が闘っている最中に来て、ビビって出て来れなかったって。

(でも、20分か30分遅刻だろ!!)


 ダメ店長の替わりに指示!取り合えず明朝6時まで、店番するように言って、

 青くなってまだ震えてる店長を、仮眠室に連れて行き、無理矢理寝かせます。

 バイト君は、凄く素直に指示に従ってくれました。

 でも何か私に近づこうとしません、微妙な距離を感じます。

 どうでも良いか、もう23時だよ!!私だって帰りたいよ!


 アパートに帰り、お風呂に入って、お腹減ってたけど我慢です「この一口で豚になる!」ミルクティゆっくり飲んで、そのままパタンキュウでした。

 ミネルバロードに行くことも無く、珍しくスッキリ目覚めました。

 久し振りの睡眠、熟睡出来て、元気ハツラツです!


 遅い朝食中、店長からスマホです。

「山岡商店街派出所に12時に来てくれって連絡が、僕も渡したい物が有るから、11時にコンビニに来てくれる?」

「店長さん、身体大丈夫?凄く具合悪そうだったけど」

「今川さんのおかげ!助かったよ。詳しくは来てから!じゃ!頼んだよ!!」


 コンビニに行くと、店長にさんざんお礼を言われ、強盗に入られて、被害が全く無かったのは今川さんのお陰って、臨時ボーナス頂きました。(10万入っていました)


 派出所でお巡りさんの話では、逮捕された男は空手の有段者だったそうで。

 そう言われて見ると、咽とか鼻とか急所を狙ったパンチだったな。

「お嬢さん、良く無事で取り押さえたね!」って感心されました。

「何か、武道の心得あるの?」って聞くので

「剣道2級です」って答えました。

{2級?剣道の3倍段とは言うけど··········}複雑な顔して、何か呟いて居ます。


 因みに、男の右手首は骨折していたそう。

 お巡りさんの、何か煮え切らない態度は、私に対し過剰防衛適用するかどうかだったそうです。

 私が剣道2級じゃ無く、有段者だったら過剰防衛適用される事があるそう。

 木刀とかで殴った訳でなく、握り潰した事が、男の手首に付いた私の手形で証明されたそうです。


 相手は強盗だよ!

 それも、ナイフで私の顔をズタズタにするって、実行しそうな状態!!

 日本の法律、加害者(現行犯だから、犯人で良いか!)に保護が手厚過ぎ!!!

 アメリカだったら、犯人射殺されても問題に成らないのに!プンプン!!

(でも、私も冷静に対処したつもりだったけど、かなり力んじゃったかな?)


 後日店長と私、警察署長から感謝状貰いました。

 感謝状もらってる様子が、テレビにながされ、新聞にも載りました。

 武勇伝は、結構誇張された報道で、ちょっとした町内の有名人になっちゃいました。

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